- 出演者
- -
オープニング映像。
生協の配達員が履いている靴は滑りにくい、疲れにくいといった機能を備えたワークシューズ。開発・製造しているのが今回のガリバー・ミズノ。ミズノは近年、スポーツで得た知見を応用して非スポーツ分野に事業を拡大しているという。さらに、カーボン素材を使って新たな事業を開拓して、未来に向けて成長を続けている。
ミズノの年商は2297億円、従業員数は3584人。国内・海外に各20拠点を構える企業。スポーツ用品の開発・製造を通じて培った知見を近年、スポーツ意外の分野に展開している。NEXCO西日本ではより動きやすい作業着が欲しいという声が出たため、2022年にミズノのワークウェアを採用した。
ミズノのワークウェアにはダイナモーションフィットというスポーツの動きを3D解析などで検証し運動時の動きやすさを求めた設計手法が使われている。随所に立体裁断を施した他、ストレッチ素材を使うなどスポーツウェアのノウハウが活かされている。他にもビジネスシューズ、医療用白衣など様々なワーキング用品を開発・販売している。少子化が進む現代において、働く人のための商品にスポーツの知見や開発手法を取り入れる事業戦略が功を奏して2023年度に過去最高となる売上を記録した。業績が好調な中で、ミズノは2022年に約50億円をかけて研究開発施設「MIZUNO ENGINE」を建設。マーカーレス動作解析システムという最新技術は複数台のカメラより得たビデオデータを基にAIが学習したアルゴリズムを用いて解析する。より動きやすいウェアなど新たな製品開発に応用される。光学式動作解析システムは動作と合わせ身体にかかる力を細かく分析してシューズの開発にいかすという。施設内では計測するだけでなく、その場で試作もできるという。
1906年、水野利八は弟とともに「水野兄弟商会」を創業。雑貨の他、スポーツ用品などの販売を始めた。その原点とも言えるスポーツが野球だ。1913年、自らデザインした野球グラブの製品・販売を開始。その際、道具を買ってもらうには野球の面白さを広めるのが一番だと、同じ年に関西学生連合野球大会を開催。これが後に高校野球夏の甲子園大会につながっていく。ところが、その黎明期はボールひとつとってもメーカーによって性能がまちまちだった。
創業者・水野利八は当初、野球を普及させるために道具の性能を均一にしようと考えていたという。その際に問題になったのがボールの弾み方だった。この時、道具の基準を定めたことで野球の競技性はより高まったと言われている。また、ゴルフでは1933年に国産第一号のゴルフクラブを開発。ゴルフの普及にも取り組んで1965年にはツアー競技大会を開催した。さらに1982年、世界初のカーボン製ゴルフクラブを開発。炭素繊維強化プラスチックを巻き付けることでうねりの少ない矢をミズノは開発した。ミズノは独自にカーボン繊維に薄く均一に樹脂を塗布する技術と、それを編み込む技術を確立した。そして近年、ミズノのカーボン素材は燃料電池車の高圧水素タンクに採用された。
この会社があるからこそいろいろな新しい良いモノができる、ずっと続いてほしいと思ってもらえるような会社にしていきたいと水野社長は語った。
- キーワード
- ミズノ
知られざるガリバーの次回予告。