- 出演者
- -
オープニング映像。
ジェイテクトで作られている電動パワーステアリングはハンドル操作に欠かせない自動車の基幹部品。世界に先駆けて開発された製品で、トップシェアを獲得している。1日に製造する数は7000台。製造ラインでは多くの人が部品を手際よく運んでスピーディな流れを作っいる。一方で、無人の製造ラインではいくつもの機械が自動で動いて運んでる。部品を運搬していた機器は電動アクチュエーターと呼ばれるもの。今回のガリバーは電動アクチュエーターの専業メーカー・アイエイアイ。
アイエイアイは国内に31カ所、海外に8カ所の事業所を構えるグローバル企業。年商は346億円、従業員数は約1400人。電動アクチュエータは細やかなスピード調整、正確な動きの反復が可能。
アイエイアイは基幹部品のエンコーダーをはじめ、主要部品のほとんどを自社生産している。工場で活躍する電動アクチュエーターは全て自社製品。精密な動作を実現するために重要なのはスライダーをスムーズに動かして制御しやすくすること。そこで、レールと接する部分に球を入れて摩擦を減らす。金属部品は作るときに僅かな個体差が生じるときがある。スライダーの動きをスムーズにするため、製品ごとに1/1000mm単位で適切なサイズの鋼球を入れてる。
アイエイアイが手掛ける電動アクチュエーターは約5300種類。中には物を掴むタイプもある。複数台組み合わせた電動アクチュエーターは様々な場面で人の作業を肩代わりしている。アイエイアイの始まりは1976年、自動化設備の製造販売会社として設立した。創業当初は大手電気メーカーに向けた試験装置の設計・制作などを請け負っていたが、慢性的な赤字が続いていた。その状況を打破するため、自社製品の開発にも取り組み始めた。電動アクチュエーターに可能性を感じて様々な装置で活用できるインテリジェントアクチュエーターを発売した。2000年代、製品の品質にばらつきがあることを指摘された。これが転機となり、製造工程の改革に成功した。
アイエイアイが品質向上に成功した組み立てシステムを見せてもらった。作る製品のQRコードをコンピューターに読み込ませると、作業点順がモニターに表示される。手順を間違えるとモニターで教えてくれる。電子はかりで使用するグリス量を管理。塗り忘れを防いで適量を塗ることで品質を一定にしている。製品によって使用するボルトは異なり、その数は50種類。コンピューターがボルトを管理し、使用するときに指示してくれる。さらに、工具はコンピューターと連動。適切な力加減でボルトを締められるようコンピューターがサポートする。こうした工夫と努力によって、アイエイアイの電動アクチュエーターは世界で65%のシェアを獲得できた。川崎重工業ではボーイング社の次期大型航空機の胴体パネルの成型に何百もの電動アクチュエータを使っている。かつては胴体を製造するための型をその都度作っていたため、膨大なコストがかかっていた。現在では電動アクチュエーターの動作プログラムを変えるだけ。コストダウンに成功した。
「気を緩めずに新しい製品を開発していくということをやっていきたい」と石田社長は語った。
- キーワード
- アイエイアイ
知られざるガリバーの次回予告。