戦闘継続 アメリカの世論は 覚書はイラン有利? 批判の声も/トランプ政権 対イラン政策 追求した“銀の弾丸”とは?/米政権 “銀の弾丸”追求も イラン国民 団結が強固に?

2026年7月17日放送 12:14 - 12:34 テレビ朝日
大下容子ワイド!スクランブル 深堀りボード

アメリカのガソリン小売価格は2月のイラン攻撃開始後急騰したが、和平交渉の報道が相次いだ5月下旬から下落傾向となっていた。停戦が終了したことで再び上昇している。トランプ大統領はイランとの紛争が終結すれば、ガソリン価格はすぐに下落すると繰り返し主張してきたが、こうした状況により11月の中間選挙で大打撃を受ける可能性が指摘されている。イランとの戦闘継続について、世論調査(エコノミスト/YouGov)で今すぐ戦争終結すべきかという問いに65%が「はい」と回答し、「いいえ」の15%を大きく上回った。先月17日、アメリカとイランが結んだ14項目の覚書にはイラン産石油の禁輸解除、イランへの制裁の全面解除、凍結資産の解除、イラン復興資金3000億ドルなどが盛り込まれていた。先月行った世論調査(CBSニュース/YouGov)では覚書について互角と見る人が41%、アメリカ有利が22%、イラン有利が37%にのぼった。覚書については共和党の伝統保守からも批判があり、トランプ大統領の盟友とされ先週急死したリンジー・グラハム上院議員は自身のSNSに「ナチス政権のドイツに経済支援をするようなものだ」と投稿。第1次トランプ政権の副大統領のマイク・ペンス氏もSNSで「核開発や弾道ミサイル計画の解体に一切言及しない妥協策だ」と指摘していた。早稲田大学教授・中林美恵子は「交渉を完全にやめてしまうと宣言するだけのトランプ大統領の国内情勢はない」などと解説した。
今年1月、イランに拡大していた反政府デモをめぐり、トランプ大統領は「非常に強力な選択肢を検討している」と軍事介入の可能性を示唆した。2月末、イランへの空爆を開始し、直後に最高指導者だったハメネイ師を殺害した。狙っていたイランの体制転換は起きなかった。その後、イランがホルムズ海峡封鎖に打って出る中、4月中旬、イランの石油輸出に打撃を与えるため米中央軍はホルムズ海峡の逆封鎖に打って出た。それでもイランが怯むことはなかった。米シンクタンク・クインシー研究所のイラン専門家のトリタ・パーシー氏はレポートの中で、トランプ政権が“銀の弾丸(シルバー・ブレット)”を探し求めてきたとの表現を用いて説明。米国が優位性を維持し妥協することなくイランを屈服させることができるありもしないような一手を探し求めてきたという。トランプ政権に限ったことではなく、イラン革命以来47年間つづく病理と指摘。どの政権も政党で追い求める中で外交的好機や出口戦略を逃してきたという。
トランプ政権の取った一手は体制転換どころか、イラン国民の団結を強固にするものだった。今月執り行われた前最高指導者・ハメネイ師の国葬について、イラン側は4000万人以上が参列したと誇示しているが、ロイター通信はテヘランに集結した弔問客たちは米国とイスラエルによるイラン崩壊の企てが失敗に終わったというメッセージを送ったのだと伝えていた。イランは戦争で弱体化した姿どころか団結し、今後の展開を自分たちで形作ろうという決意に満ちた姿を見せた。早稲田大学教授・中林美恵子は「イランほど難しい国はない。アメリカを敵とみなしてきたのがイランの体制。しかもイスラエルを地球上から消滅させようとハマスやヒズボラなどの周辺勢力を支援するというテロ支援国家でもあった。何とかしようとしてきたが未だにうまくいっていない」などと解説した。


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