news zero zero plus
紀伊國屋書店が発表したキノベス!2025。書店店員が全力でオススメしたい今年の本1位には、朝井リョウさんの「生殖記」が選ばれた。今年の本屋大賞にもノミネートされた注目の作品だ。しばらくメディアへの出演を控えてきた朝井さんだが、今回話を聞くことができた。「生殖記」はあらすじやジャンルは明かされておらず、分かっているのはタイトルと著者名のみ。異例の売り方にもかかわらず発行部数は10万部を突破している。その売り方にした理由について朝井さんは「“このテーマについての話ですよ”と世に出した時、そのテーマに元々興味があったりとか、知りたいなと思った人には確かに届きやすくなるかなとは思う。このテーマについて全く考えるつもりがなかったか、むしろちょっと拒否感があるくらいの人のところにまで、ちょっと騙し討ちな感じで届けることができないかなという思いがありました。言い出した時、小学館は真っ青だったと思いますよ」と語った。朝井さんは大学在学中に「桐島、部活やめるってよ」でデビュー。神木隆之介さん主演で映画化され日本アカデミー賞を受賞した。その後、直木賞を受賞した「何者」や、人が生きていくための推進力をテーマにした「正欲」も映画化された。デビューから15年、あえてあらすじやジャンルを公開しないという初めてのチャレンジ。朝井さんは「1回、自分のルールを破壊したくなる」などと説明した。本とのなれそめについて朝井さんは「さくらももこさんのエッセーが大好き」などと語った。