午後LIVE ニュースーン 蔵出しセレクション
四国八十八ヶ所をめぐるお遍路さんは名前が知られているが、お遍路さんに無料で食べ物や飲み物を提供するお接待という人もいるのだという。船を使ったお接待船団というものもあるのだという。四国路をめぐるお遍路さんだが、徳島・鳴門市の霊山寺は一番札所として知られている。この寺では紀州のお接待さんが海を隔てた和歌山県から施しを積んだ船団が接待を行うのだとおいう。みかん処で知られる有田地方から集めた品が集められ、お接待さんは塩サバの握りを笹の葉で巻いて漬物石で1週間ほど漬け込んだ「なれずし」は20日ほど保存が効くことから1週間ほど歓迎を行う人には欠かせない食となっている。旧暦の3月1日を迎えると接待船が移動を始める。接待船は無料で乗ることができ、接待に出た船は事故に遭わず大漁が約束されるとの言い伝えから新造船は一番乗りとなるのだという。接待所は掃除を済ませた状態で歓迎する様子が見られ、三宝柑には10円玉のお賽銭を乗せて配る紀州独特の風習がみられる。四国を行脚する修行僧に地元の人々が一夜の宿を提供したり湯茶を施したのがお接待の始まりと言われ、弘法大師の供養に通づると伝えられてきた。今ではお接待の文化は少なくなったものの、有田の人たちによるお接待はいまでも続いているのだという。