日曜討論 (日曜討論)
国の税収は2009年以降右肩上がりの状態が続いていて、今年度予算では約77.8兆円で過去最大となる見込み。一方国債は今年度末には1129兆円まで膨らむ見通しで主要先進国の中で最も高い水準になっている。こうした状況の中、政府は今月骨太の方針を決定した。基礎的財政収支について黒字化を目指す時期を改めて示し、これまでの目標である2025年度が難しくなっていることを踏まえて「今年度から来年度を通じて可能なかぎり早期」とした。
日本の財政状況は。熊谷氏は「今足元でインフレで先行して税収が上がっているからといって先にそれを使ってしまう無駄遣いをする余裕は今の財政状況にはない」、永濱氏は「基本的に財政が改善するということは政府債務残高のGDPが下がればいい。G7諸国で見ると日本だけ下がっている。さらに日銀の資金循環統計を見ると直近は財政黒字になっている。まさにインフレの状況で財政がよくなっている状況。家計にしわ寄せが行っているのであれば政府債務残高GDPの改善を維持しながらある程度の財政制作はできると考えている」などとした。資金循環統計は政府の資金の過不足をみたもので、統計開始以来初めて黒字になっている。永濱氏は「これを見ると税収を経済状況に応じて取りすぎている部分がある」などと指摘した。寺井氏は「賃上げとインフレで税収が伸びたが、いずれ支出も伸び始める。そのことを忘れてはいけない」、斎藤氏は「政府が必要に応じて赤字を出すことは決して悪いことではない。経済をうまく回すためにどこかが赤字になるというのが正常な姿」などと話した。石破総理が”日本の財政はギリシャよりよくない”などと発言したことについては「どの指標を見るか。1つは分母となるGDPが全然伸びてないという面もあると思う」などと話した。熊谷氏は「日本の財政不安からくる国債売りが加速している」、一方永濱氏は「仮に日本の財政不安が大きくなっていればもっと10年債の利回りが上がっていると思う。今はむしろ世界的にみてもそんなに日本の財政のリスクは高くない」などとした。