ワールドビジネスサテライト WBS X
EVの開発を加速させる中国メーカーによる日本参入の動きが活発になっている。価格競争力に加え性能の高さが売りになっている。先週まで行われていた上海国際モーターショーでは、国内外の自動車メーカーが163の新モデルを披露し、知能化の技術を競っていた。8つの新モデルを発表したのはテスラと、EV自動車の販売で世界一を争うBYDグループ。超高速充電システムやドローン搭載EVなど先端技術を展示した。なかでも注目を集めたのはヤンワンU7はPHEVで、水平対向エンジンを発電機として活用し、中国メーカーとして初めて導入しエンジン技術でも世界に打ってでた。さらにBYDは軽自動車で日本市場に参入すると発表した。BYDオートジャパン 東福寺 厚樹社長は「日本最安モデルのドルフィン299万円以下をターゲットとして考えている」と述べた。BYDの2024年の日本販売台数は2383台で、前年比57.7%増だった。軽自動車でもシェアを獲得したい考え。
BYDに続き日本進出を表明しているジーカーは、吉利汽車がハイテクと豪華をコンセプトに2021年に設立した。2024年の販売台数は約22万台。世界40カ国以上に進出している。ジーカーの海外事業担当、陳禹副総裁は「どの国も必ずEVにシフトする。(日本への)進出は2年以内」と答えた。すでに日本でジーカーXが1台走っているという。ベンツやBMWに対抗したモデルで、中国での価格は290万から390万円。ジーカー009は、香港でミニバンの販売で1位になった。中国産AIのDeepSeekを搭載したほか、特殊調光ガラスを採用した。ギガキャストというテスラも使う最新技術の工場に、日本のテレビとして初めて取材が許された。