NHKニュース おはよう日本 (特集)
桶川ストーカー殺人事件から25年、取材したさいたま放送局の海老原記者の解説。猪野さんは当時の警察官を今も許していないし、警察に対しても変わらず厳しい目を向けている。一方、猪野さんからは娘は3度殺されたと聞いた。容疑者、警察、そしてメディアに殺されたと感じているという。当時事実と異なる情報が週刊誌やワイドショーで流され、詩織さんの側に落ち度があったかのような情報が広まり、尊厳が大きく傷ついたと考えている。他方でそうした誤った情報をただしたのもまた報道だったということ。猪野さんはメディアに対しても真の報道のために努力し続けてほしいと考えている。この事件以降、警察のストーカーへの対応は大きく変わった。この事件のよくとしにはストーカー規制法が施行され、その後、3回改正されている。相手に拒まれたのにメールを繰り返し送る行為を違反行為に追加したほか、被害者の自宅周辺をうろつく行為も取締りの対象にするなど改正のたびに対策は強化されてきた。また、取り締まる警察はストーカー行為をして禁止命令を受けた加害者に対し積極的に連絡を取り、必要に応じてカウンセリングを受けるよう促す取り組みも進めている。ただ、それでもこうした事件は後を絶たない。過去10年を見てもストーカーの相談や通報の件数は全国で2万件前後を推移する高止まりの状況が続いている。猪野さんは今の状況に対して警察は大きな窓口を開いておくこと、そして小さな悩みも確実にすくい上げること、そうすることで被害者に勇気を与えてほしいと話していた。