桶川ストーカー殺人事件 25年経たいま 遺族は

2024年10月31日放送 7:10 - 7:18 NHK総合
NHKニュース おはよう日本 (特集)

桶川ストーカー殺人事件。今から25年前、埼玉県のJR桶川駅前で女子大学生がストーカー被害の末に殺害された。この事件はストーカーの恐ろしさ、その対応の難しさを社会に突きつけ、ストーカーを規制する法律が出来るきっかけになった。一方、この事件を巡っては当時警察が取った不適切な対応も明るみに出て、大きな問題となった。事件から25年。ことしも現場には花が手向けられていた。取材を通じて見えてきたのは時間をかけて変化した遺族の警察に対する感情、そして娘への変わらぬ思い。亡くなった女子大学生の父。女子大学生は面倒見がよく明るい性格だった。さみしい思いをさせたくないと遺骨は今も自宅に置いている。白昼に起きたこの事件。女子大学生の元交際相手らによって引き起こされた。別れ話がきっかけとなった執ような嫌がらせ。そのときの音声が残っている。自宅周辺には中傷するビラもばらまかれた。被害を訴える家族に対し警察は「個人のトラブルには介入できない」などとして告訴を取り下げるよう求めたり、うその書類を作ったりするなど不適切な対応をしていた。当時、女子大学生が記していたメモ。今回、初めて見せてくれた。「いつか動いてくれるであろうと信じていたことを完全に裏切られた」。埼玉県警のトップみずからが謝罪する事態に。こうした警察の対応は大きな批判を浴び、ストーカー規制法が成立するきっかけにもなった。女子大学生の父は同じように悲しい思いをする人を減らしたいと事件の半年後から講演を続けている。その中で直面したのが被害の防止には警察の力が欠かせないという現実だった。
今月、殺害された女子大学生の父が向かったのが京都。待っていたのは京都府警警察本部・西田勝志警視。7年前、ストーカー被害の相談を担当していた西田さんは女子大学生の父に若手の警察官に話をしてほしいと依頼。それ以降、交流が続いている。かつて憎んだ警察への講演はことしで8年目を迎える。講演では、当時の警察の対応について多くの時間を割いている。警察へのエール。この日の講演のあとうれしい話があった。


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