JPモルガン証券・佐野友彦さんの解説。テーマ「ESG視点で捉えるパート2、2025年日本機械セクターは正念場」。佐野さんは「機械セクターの7−9月期の平均売上高は↑7%(前年比)、営業利益↑14%(前年比)。4−6月期に対して増収増益だが業績は鈍化している。中国向けの半導体の回復の遅れが目立つ。ベアリングやFAファクトリーオートメーションは厳しい。重工業セクターはエネルギー、航空防衛等が良好」などと述べた。機械セクターのESG視点。Eは気候変動への対応、生物多様性への対応。Sは安心安全、多様性、サプライチェーン管理。Gは東証改革のPBR1倍要請、株主提案の強まり。佐野さんは「2025年はさらに企業の行動や株主提案の高まりによってESGの色が濃くなる。2025年の注目分野は9つの分野(重工業、農業機械、建設機械、工作機械、FA・ロボット、電動工具、軸受、ボイラ、空調)の中でも重工業、ボイラ、建設機械。正念場を迎えるセクターはFA・ロボット、工作機械。
佐野さんは「重工業はAIやデータセンター普及によるガスタービンや原発の需要増。安全保障面での防衛費拡大、ガバナンスの観点ではポートフォリオの再編。ボイラは省エネや脱炭素への移行のため工場内のエネルギー提案需要が高まっている。欧米企業の買収に伴い成長拡大している。FAファクトリーオートメーション・ロボットは中長期の省人化需要が高く、今後も米国各国の製造業回帰アップサイド要因は見える。中国依存の高まりや中国の新興メーカーの台頭に伴う競争環境の激化に注目。中国以外、伝統的な自動車以外の業界にどれくらい業界の拡販、収益性の改善が出来るか。付加価値向上、直販化がカギとなる」などと述べた。注目する企業は重工業はIHI、FA・ロボットはキーエンスなど。佐野さんは「IHIは景気に鈍感なレイトシクリカル銘柄。航空エンジン、防衛受注が大幅に増加で好業績が続く。化石燃料や防衛は従来のESGでは評価が低かった。化石燃料は将来的にアンモニア燃料に置き換えられる。マネジメントの中に不採算事業の譲渡。受注や売り上げの拡大より収益性ROICの改善への機運の高まりがみられる。含み益が大きい資産の有効活用に注目。第2クオーターの決算も一時的な損失が発生した航空エンジンプログラムの懸念が後退したこと、主力の航空エンジンが収益性の改善が見られている、防衛、宇宙の受注増も発表、今後の事業拡大と再編が期待されていることから株価は右肩上がり」などと述べた。
佐野さんは「FAのキーエンスはFAのライバル企業に対して中国からの受注が相対的に低い。工場向けのセンサーがラインに投入されるなど直販に供給。自動車や半導体だけでなく食品や物流、医療向けにも使用される。営業利益率は50%超で高い収益性がある。ESG視点からとらえるとFA・ロボット業界はこれまで日本企業が世界を代表する立場であったが近年、中国企業の台頭や収益性の低下など構造的課題が出ている。キーエンスは中国の依存や特定の業種依存を低下。サプライチェーンで直販、値上げ、ファブレス、効率化といったキーワードで高い成長性と収益性を続ける。決算では通期の増配を発表。配当性向は2割強で低い。今後ROICやROEの改善がガバナンスの観点の強化を含めてポテンシャル。FA・ロボットの業界トレンドとして中国半導体回復の期待が低下。業界として状況は厳しい。2Q決算の配当を踏まえて日本向けの持ち直し傾向がある。今後、ESG視点を捉えると上向いている」などと述べた。各社の投資判断を紹介した。ESG視点での2025年の機械セクターの注意点について佐野さんは「地政学的リスク、各国の政策、景気動向が不透明。景気敏感と言われるシクリカルセクターの機械セクターはESGの視点がさらに高まり今後は企業の戦略、株主提案の高まりを受けて大きく業績、株価に変化が出る。短期、中長期合わせて読み解くことが重要」などと述べた。
佐野さんは「重工業はAIやデータセンター普及によるガスタービンや原発の需要増。安全保障面での防衛費拡大、ガバナンスの観点ではポートフォリオの再編。ボイラは省エネや脱炭素への移行のため工場内のエネルギー提案需要が高まっている。欧米企業の買収に伴い成長拡大している。FAファクトリーオートメーション・ロボットは中長期の省人化需要が高く、今後も米国各国の製造業回帰アップサイド要因は見える。中国依存の高まりや中国の新興メーカーの台頭に伴う競争環境の激化に注目。中国以外、伝統的な自動車以外の業界にどれくらい業界の拡販、収益性の改善が出来るか。付加価値向上、直販化がカギとなる」などと述べた。注目する企業は重工業はIHI、FA・ロボットはキーエンスなど。佐野さんは「IHIは景気に鈍感なレイトシクリカル銘柄。航空エンジン、防衛受注が大幅に増加で好業績が続く。化石燃料や防衛は従来のESGでは評価が低かった。化石燃料は将来的にアンモニア燃料に置き換えられる。マネジメントの中に不採算事業の譲渡。受注や売り上げの拡大より収益性ROICの改善への機運の高まりがみられる。含み益が大きい資産の有効活用に注目。第2クオーターの決算も一時的な損失が発生した航空エンジンプログラムの懸念が後退したこと、主力の航空エンジンが収益性の改善が見られている、防衛、宇宙の受注増も発表、今後の事業拡大と再編が期待されていることから株価は右肩上がり」などと述べた。
佐野さんは「FAのキーエンスはFAのライバル企業に対して中国からの受注が相対的に低い。工場向けのセンサーがラインに投入されるなど直販に供給。自動車や半導体だけでなく食品や物流、医療向けにも使用される。営業利益率は50%超で高い収益性がある。ESG視点からとらえるとFA・ロボット業界はこれまで日本企業が世界を代表する立場であったが近年、中国企業の台頭や収益性の低下など構造的課題が出ている。キーエンスは中国の依存や特定の業種依存を低下。サプライチェーンで直販、値上げ、ファブレス、効率化といったキーワードで高い成長性と収益性を続ける。決算では通期の増配を発表。配当性向は2割強で低い。今後ROICやROEの改善がガバナンスの観点の強化を含めてポテンシャル。FA・ロボットの業界トレンドとして中国半導体回復の期待が低下。業界として状況は厳しい。2Q決算の配当を踏まえて日本向けの持ち直し傾向がある。今後、ESG視点を捉えると上向いている」などと述べた。各社の投資判断を紹介した。ESG視点での2025年の機械セクターの注意点について佐野さんは「地政学的リスク、各国の政策、景気動向が不透明。景気敏感と言われるシクリカルセクターの機械セクターはESGの視点がさらに高まり今後は企業の戦略、株主提案の高まりを受けて大きく業績、株価に変化が出る。短期、中長期合わせて読み解くことが重要」などと述べた。