沖縄「戦前」と80年後の「今」

2024年6月22日放送 18:35 - 18:40 TBS
報道特集 (特集)

沖縄戦が始まる直前、新聞には「南西諸島」の文字。社説は、敵がい心をあおった。そして今、南西諸島には自衛隊の配備が急速に進む。与那国町長は「全国民がいつでも日本国の平和を脅かす国家に対しては、一戦を交える覚悟が今問われているのではないだろうか」と述べた。与那国島ではおととし、米国との共同訓練に絡む戦闘車が公道を走った。石垣島や宮古島と同じようにミサイル部隊の配備が計画され、新たな土地の取得、有事の際に自衛隊などが使用することを前提とした空港滑走路の延長や港湾の整備計画が進む。米国・エマニュエル駐日大使も訪問し、日米同盟をアピール。政府は今月、台湾有事を念頭に先島諸島の住民を九州各県と山口県へ避難させる計画を九州地方知事会に提示した。80年前を体験した人々は、80年後の風景に何を見るのか。男性はは「沖縄戦前夜そのもの。戦争するとときは、みんないいことを言う。東洋平和のためならばとなったら誰が反対するのか、それはもうノーと言えない状態に追い込んでしまう」、女性は「絶対に戦争が始まったらもう収まらない」、男性は「戦争の愚かさ。正気の沙汰とは思えない」と語った。
書家・儀間昭男さんは、自らが記したメッセージを街頭で掲げる。儀間さんは「基地は抑止力のために造ると。沖縄の方言で“よくし”は“ゆくし”と発音→“うそ”という意味」と語った。沖縄国際大学・石原昌家名誉教授が最も印象深かったという証言者の1989年5月に聞き取った声を紹介。実は沖縄戦の31年前、ある軍事演習が行われていた。1914年1月の新聞が報じているのは、まるで沖縄戦を想定していたかのようなシナリオ。仮想敵が首里の軍司令部を目指して進軍し、それを学生隊の力を借りて迎撃していた。平和なときに戦争は準備される。それを裏づけたのが沖縄戦だった。


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