- 出演者
- 村瀬健介 山本恵里伽
オープニング映像。
気象庁は中国地方と北陸地方が梅雨入りしたと発表した。このあとも各地で雨が強まることが予想され、あさってにかけて広範囲で警報級の大雨に警戒が必要。広島地方気象台はきょう、中国地方が梅雨入りしたとみられると発表。今年の中国地方の梅雨入りは平年より16日遅く、去年より24日遅くなっていて、気象庁が統計を開始した1951年以降で3番目に遅くなっている。中国地方は、これから明日にかけて断続的に局地的に雷を伴った激しい雨となり、特に広島県や島根県では明日は「警報級の大雨」となることが予想され、土砂災害などに警戒が必要。梅雨入りが発表された能登半島地震の被災地、石川・輪島市ではタンスや衣類などが雨でぬれないよう大阪から訪れた学生ボランティアらが被災した住宅から運び出す作業を進めていた。県内は明日、雷を伴い、1時間に40ミリの激しい雨が降る予想。地震の影響で地盤が緩んでいるところもあることから、気象台では土砂災害に警戒を呼びかけている。
日本全国の気象情報。
天皇皇后両陛下は国賓として英国を訪問するため、今日午前、羽田空港を出発された。両陛下は午前11時ごろ、羽田空港に到着し、秋篠宮ご夫妻や最高裁判所長官らと挨拶を交わされた。両陛下はタラップを上がって見送りの人たちに会釈し、政府専用機で英国に向けて出発された。今回の英国訪問はチャールズ国王から招待を受けたもので、8日間の日程。両陛下は英国の首都ロンドンで歓迎式典に臨まれるほか、バッキンガム宮殿で国王夫妻が主催する晩さん会などに出席される。また両陛下がともに留学経験のあるオックスフォード大学を訪問し、ゆかりのある場所を訪ねる予定で、今月29日に帰国される。両陛下の英国訪問は、おととし9月エリザベス女王の国葬に参列して以来、2年ぶり。
任期満了に伴う日本医師会の会長選挙が行われ、現会長・松本吉郎氏が再選を果たした。会長選挙は2年に1度で、都道府県の医師会の代表ら378人による投票が行われた。松本氏は「医療を取り巻く環境は非常に厳しいものがある、一丸となって難局を乗り越えていきたい」と意気込みを述べた。
中国南部にある広西チワン族自治区玉林市で人々が食べているのは犬。調理するのは、食べるために飼育された犬。中国では古くから夏至の日に犬の肉を食べると体にいいと言われていて、玉林では毎年、夏至の日に犬肉祭りが開かれ、多くの人が犬の肉を楽しむ。犬肉祭りの一日だけで1万匹が食べられる。中国メディアによると世界では年間2000万匹〜3000万匹が食べられているが、うち1000万匹〜1500万匹が中国で食べられているという世界一の犬肉消費国。犬肉を巡っては、韓国で1月、販売などを禁止する法律が成立したが、これについて中国の人はどう思っているのか聞いた。店員は「伝統文化なので中国では禁止にならない」、地元の人は「韓国人じゃないので関係ない」「イスラム教を豚を食べないなど地域ごとの習慣がある」と語った。反対する声もある。動物愛護団体の投稿(中国SNSより)を紹介。広東省深セン市では3月から犬肉の販売を禁止した。中国政府も特に国外からの視線に敏感になっているよう。地元の警察が撮影を妨害してきた。伝統文化か、それとも動物虐待か、犬肉文化が根づく中国もその狭間で揺れ動いている。
エンゼルス3−2ドジャース。去年まで6年間在籍した思い出のチームと初対戦を迎えたドジャーズ・大谷翔平は試合前、2年間共に戦った仲良しのエンゼルス・Mモニアックとハグをする場面も。大谷は推定飛距離139mの特大アーチ。2試合連続となる22号でホームラン争い単独独走態勢に入る(2位・Mオズーナ20本)。古巣相手に2安打の活躍でホームランに続き、打率もリーグトップに浮上(2位・パドレス・Jプロファー)。大谷は「今日も良かった。打った瞬間入ると思ったので」とコメント。
日本全国の気象情報。
ザル法という批判を受けながら成立した改正政治資金規正法。その一方で、また新たに岸田総理大臣の脱法パーティーを巡る疑惑が浮上。さらに自民党・萩生田前政調会長の政治資金収支報告書に添付された領収書を入手、その検証から見えてきたこととは。自民党の政治資金規正法改正案について、岸田総理は「企業団体献金は禁止、政治資金パーティーは禁止、政策活動費も禁止。禁止禁止禁止というのは大変気持ち良いかもしれないが、現実的な政治の中で政治資金は民主主義を支える大変重要な要素」と述べた。その日の午後、改正法は自民公明の賛成多数で可決、成立した。説明責任もしっかり果たされない中で、国民からは抜本的な政治改革を望む声というのは大きかったと思うが、そうした国民の期待に応える改正だと思うか?。公明党・山口那津男代表は「説明責任が尽くされたかというと“疑問なし”としない。自民党の意は誠意を持って対応してもらいたい」と述べた。
今回の改正で政治資金パーティーは温存し、購入者の公開基準額を20万円超から5万円超に引き下げた。政策活動費の領収書は10年後に公開。どの程度の情報を公開するかは検討するとなっている。改正法の成立をもって政治とカネの問題の収束を図りたい自民党。今月10日、都知事選を前に都連会長に再任された自民党・萩生田光一前政調会長は、改正のきっかけとなった一連の裏金事件について「反省は必要だが、いつまでも下を向いているわけにはいかない」と話した。「報道特集」は萩生田側が提出した政治資金収支報告書、そこに添付した領収書の写しを情報公開請求で入手。
- キーワード
- 自由民主党東京都支部連合会萩生田光一
一連の裏金事件の中心だった自民党の最大派閥・安倍派。5人衆の1人、自民党・萩生田光一前政調会長は現職議員の中で3番目に多い2700万円余りの還付金を収支報告書に記載していなかったと公表した。しかし、受けた処分は下から3番目に軽い党の役職停止。萩生田前政調会長は派閥から受けた還付金をどう管理してきたのか。今年1月の記者会見で、萩生田前政調会長は「下人で渡され、担当者が持ち帰り、自分の机の鍵付きの引き出しで保管していた」と主張。しかし番組が情報公開請求で入手した一部の領収書には、現金ではなく銀行口座からの引き落としを意味する「クレジットカードにて支払い」などと記されている。その総額は74万円余り。萩生田前政調会長を政治資金規正法違反で刑事告発した神戸学院大学・上脇博之教授は「現金で管理していたということと明らかに矛盾している」と述べた。更に上脇教授が指摘したのは収支報告書が訂正された回数の多さ。2021年分の収支報告書では2022年5月〜今年5月にかけて8回もの訂正。上脇教授は「不可解もいいところ。説明責任を果たしてほしい」と語った。
政治資金収支報告書に領収書が添付されていない支出もある。全て海外で支出されたもので、米国、オーストラリア、タイなど2020年〜2022年の3年間で約291万円分に上る。何に使っていたのか。例えば2022年5月3日、約32万8000円を支払ったとするのは米国・ワシントンのレストラン。その2週間後の5月21日には、タイ・バンコクのレストランで約3万8000円を支払った。この期間、自民党・萩生田光一前政調会長は経産大臣として国際会合などに出席するため米国とタイを訪問。しかし中には実態と合わない記載も。5月5日に会場費として5万5272円を支払ったというワシントンのBookmarks。報告書に書かれた住所は、連邦最高裁判所に関連するNPO団体だった。Bookmarksとは何なのか。Bookmarksとは、しおりのこと。最高裁にある売店でしおりを買ったのではないかとNPO団体のスタッフは推測。
さらに不自然なのは、2022年7月29日の支出。米国・ワシントンのバーで約6万6000円を使用。この日、自民党・萩生田前政調会長はワシントンで朝から日米の外務経済閣僚による経済版2+2の会合に出席。しかし同じ日にオーストラリア・シドニー・ザグリーンハウスで約19万円を支払ったとしている。公園の中のカフェで、一番高いメニューがチキンとポテトのランチボックス19ドル。19万円を使おうとすると100個以上買わなければならない計算。店主は「一度に19万円も使った客はいない」と話した。もし2つの店を利用していたとしたら、29日の朝7時にシドニーのカフェに行き、すぐに移動したとしても2+2の会合には間に合わない。領収書が添付されていない海外の支出について萩生田前政調会長は今年1月、「会合費としても使用していた」と説明。総務省によると領収書は収支報告書に合わせて提出しなければならない。神戸学院大学・上脇博之教授は「政治資金規正法違反で成立するとみている」と述べた。萩生田前政調会長側は「還付金の使途は収支報告書に計上しなくてよいという間違った認識に基づき運用されていたため、領収書をもらわなかった」などと説明。
「報道特集」はこれまで岸田総理大臣の政治資金パーティーの問題についても報じてきた。おととしの内閣総理大臣就任を祝う会、11年前の外務大臣就任を祝う会、今回新たに別のパーティーについても疑惑が明らかになった。2007年、岸田総理が初めて大臣に就任した際、広島市のホテルで1000人以上が出席した内閣府特命担当大臣就任を祝う会、主催したのは、ほかの2回と同様に地元有志が集まった任意団体。番組が独自に入手した当時の案内状。おととしの総理大臣就任を祝う会の案内状と内容や形式がほぼ同じ。岸田総理を同じ言葉でたたえ、結びの挨拶も全く同じ。この祝う会の発起人の1人が取材に応じた。政治家は、政治資金パーティーを開催した場合、収支を政治資金収支報告書に記載しなければならない。だが祝う会は任意団体としており、収入が1000万円未満なら報告する義務はない。発起人には、祝う会の主催者が「任意団体」だという認識はなく、「政治家による政治資金パーティー」だと考えていた。発起人は「あれた政治資金(パーティー)じゃなかったら、何が政治資金(パーティー)か」と述べた。
パーティーの収益について。収支報告書には特命担当大臣就任を祝う会から240万円の寄付が記載。おととしの総理大臣就任を祝う会からは、321万円の寄付が記されている。岸田総理大臣の後援会長は今年3月、祝う会の実態について「実態はない。全部岸田事務所でやったといえばやった」と語った。寄付として記されたのは321万円だが、後援会長は、それを上回る900万円弱を振り込んだと証言。任意団体からの寄付として記す狙いはどこにあるのか。政治資金に詳しい神戸学院大学・上脇博之教授によると「パーティーで得た収益を任意団体を経由して、一部だけを寄付として収支報告書に記載し、経費を引いた分を何に使ったか分からない裏金にする狙いがあるのでは」という。上脇教授は「広島ではまん延しているのかな。“岸田方式”といってもおかしくないかなという気がする」と述べた。
任意団体を主催者とし政治資金パーティーではないと主張するやり方は国会でも追及された。立憲民主党・野田佳彦元総理は「外務大臣の時も内閣府の担当大臣の時も“祝う会”をやってもらい、“脱法パーティー”。“岸田式”だ」とただし、岸田総理大臣は「任意団体が開催した実質的にも形式的にも政治資金パーティーではない」と述べた。
任意団体が主催する岸田総理大臣の就任を祝う会。地元・広島県の政界ではしばしば「祝う会」という名で政治家のパーティーが行われていた。広島県議会・山木靖雄前議長と現職・中本隆志議長の祝う会の会計処理には違いがあった。山木前議長の場合、2018年に就任を祝う会が開かれたが、主催は任意団体ではなく、山木前議長の後援会。収支報告書にもパーティーの収支が明記されている。その理由について、事務を担当した息子・山木茂広島県議は「そういう決まりになっている」と述べた。一方、その翌年に議長に就任した中本県議の広島・広島市内のホテルで開かれた祝う会の会費は1人1万円。しかし政治資金パーティーとしての届けはなく、祝う会から中本議長側に358万円が寄付されていた。岸田総理の祝う会と同じ形。番組が独自に入手した議長就任を祝う会の案内状には発起人の欄に岸田総理の名前が記され、祝う会でもスピーチを行う姿が。中本議長は「出席者は800人余りだったため、報告の義務はなく、パーティーの収益は全額寄付してもらった、裏金はない」と強調。
広島県議会・中本隆志議長のパーティーの発起人の1人は岸田総理だったが、実は、岸田総理のパーティーの発起人にも中本議長がいたことも取材で明らかになった。岸田事務所に尋ねると「いずれの集会も岸田の国会議員関係政治団体の主催ではないので、弊事務所は回答する立場にない」とした。
取材した広瀬誠ディレクターがスタジオで解説:改正法が成立・裏金の経緯などまだ何も明らかになってはいないことについて「岸田総理大臣に関連する祝う会だが、総理は任意団体が主催したもので事務所は関係ない、政治資金パーティーではないんだと国会などで説明。しかし後援会の会長は祝う会は実態がないものと証言し、説明が食い違っている。取材で地元では同じような手法でほかにもパーティーが開催されてきたことが明らかになったが、法律改正を率いるトップが自らの疑惑について納得がいく説明ができない中で政治資金の使われ方を透明にし、公開にする議論が進むことは難しいのでは」。基本的には日本社会は公正で透明性の高い社会ではないか。日常生活の中で賄賂を求められるような場面はほぼありえない。誰でも努力して試験や選挙を通れば公務員や議員になることができる。シリアやイラクなど内戦が多発する場所では縁故主義や賄賂がまん延し、社会が非効率、あるいは破壊的な道を歩むかを目の当たりにした。公正さや透明さは社会にとって重要なもの。今回の政治改革の議論を見ていて日本がこれからも公正で透明性の高い社会でいられるのかと心配になった。