ワールドビジネスサテライト (ニュース)
水田地帯が広がる栃木・那須塩原市。農家の室井志俊さんはデータ栽培を活かして収穫量のアップを狙っている。リアルタイムに土壌の酸性濃度を測定し、中性に近づけるように肥料を補充している。このシステムを開発した伊藤忠テクノソリューションズはITシステムの構築や提供を手掛けており、昨年度の売り上げは7282億円だった。コメ栽培に参入したのは新規就農者が抱える経験則でしかわからない肥料投入のタイミングなどの課題を解決するためだったという。みらい研究所の神野泰成さんは「データやノウハウを蓄積し、農家の助けとなるシステムを提供したい」と話していた。農地の劣化を防ぐために「鉄触媒」とよばれる肥料を使用。実証実験の結果、野菜の成長速度に2倍近い差が出たことがわかった。今後のコメの収穫量アップには小規模農家の収益改善が課題となる。