猿を描き続けた絵師 森狙仙

2023年11月21日放送 21:06 - 21:11 テレビ東京
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森狙仙は「猿を描いて並ぶ者なし」と称された江戸時代後期の絵師。1747年、大坂の生まれ。絵師だった父の影響で狙仙は2人の兄とともに狩野派を学んだが兄たちが様々な画題を描いたのに対し、狙仙は動物画、とりわけ猿を好み、「猿描き狙仙」と呼ばれた。特に手描きの筆致は天下一品。一本一本丁寧にふわりとした柔らかな質感までも巧みに表現している。狙仙は猿の描写を極めるべく、猟師から譲り受けた猿を自宅の庭で飼い我が子のように慈しみ見つめた。すると喜怒哀楽などまるで人間のごとく豊かな表情を描き分けるにいたったが、あるとき狙仙の絵は自然の真の姿を捉えていないとの痛烈な批判を浴びてしまう。すると3年間山にこもり野生の猿をひたすら観察。行動をともにしながら彼らにならい食料を手づかみで食べるなどその仕草・生態までをも真似、数千枚におよぶ写生を行った。そして画風は一変。すごみが増した。例えば厳しい自然のなか、子猿を見守る親猿。その表情は険しい。狙仙の絵の前に猿を連れていけばたちまち飛びかかったとの逸話も残されている。かの円山応挙も迫真の描写に舌を巻き「真を超えて古今無双」と呟いたという。還暦を過ぎた頃。狙仙は自らの名を示すへんの「祖」からけものへんの「狙」へと変えた。これはおそらく猿の絵では自分に並ぶものはいないという強い自負の現れ。「秋山遊猿図」はたて164cm、よこ271cmの大画面で山で遊ぶ5匹の猿と2頭のシカを描いた晩年の傑作。中央の松と岩をゴツゴツとした輪郭線で表す一方、猿とシカは緻密で柔らかな描線で手書きしており動物の軽やかさや躍動感がより一層際立っている。かすかな音に耳を澄まし警戒する仕草、母猿に必死にしがみつく子猿の愛らしさ。まさに狙仙の真骨頂といえよう。改めて依頼品を見ると「群猿図」はたて152cm、よこ84cm。奥深い山中に木や岩の上で101匹の猿が戯れている。足をかくもの、喧嘩するもの、ハチの巣を大事そうに抱えるものなど1匹1匹丹念に描きあげている。名がけものへんでないことからすると還暦以前の作か。


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