- 出演者
- 福澤朗 今田耕司 片渕茜 石原和幸 宇垣美里
本日のゲストは、世界一の庭師と称えられる庭園デザイナーの石原和幸さん。1958年に長崎市に生まれ大学時代はモトクロスレーザーを目指すも断念。22歳で軽い気持ちで池坊に入門したところ活けた花の美しさに衝撃をうけ「人生!花でいこう」と決意。まずは生花店で勉強し29歳で独立し2年後には長崎市内に30店舗をかまえ、その後全国に80ものフランチャイズ店をオープンした。しかしバブル崩壊で事業破綻し44歳で8億円の負債を抱えた。長崎にもどり再スタートをきった際に新たに始めたのが庭造りの仕事。独学で猛勉強しイギリスの歴史ある花と庭のコンテスト「チェルシーフラワーショー」ではこれまで12回金賞に輝き世界一の庭師となった。国内では羽田空港第1ターミナルの庭園や商業施設から個人住宅まで癒やしの空間を演出している。
依頼者は世界一の庭園デザイナー石原和幸さん。石原さんは8億円の借金を背負ったこともあったが10年で庭造りをしながら完済。石原さんは「借金のおかげで世界一になったと思う」などと話した。
石原和幸さんのお宝は、江戸時代の狛犬一対。これは十数年前にテレビで前川清さんが旅番組をしているときに骨董屋にあった狛犬が2~3秒映り“ほしい!”と思い映像をたよりに4時間探し購入。現在は長崎市の三原庭園に展示しているとのこと。本人評価額は200万円。鑑定結果は100万円だった。この品物は大正時代から昭和に製作されたもので、漆喰でできており狛犬の造形から西日本系だが装飾性が強いため東日本系とハイブリッドな作りとなった珍しいものだと評価。
栃木県下野市の学生寮にいる谷川旦誼さん22歳。以前、姉・もえぎさんが鑑定団に出演し、父親から香川大学の入学祝いでもらった「十三代 中里太郎右衛門の壷」を鑑定。番組で今田さんが「私だけです(勉強)できるの」という発言に「1人頭悪そうなやついましたもんね!」と発言しており、そのいじられた本人だった。ただ旦誼さんは当時は学年最低レベルだったと明かし、その後は今田さんを見返すため猛勉強し去年、自治医科大学医学部への合格を決めることができたという。旦誼さんのお宝は、お父様から入学祝いでもらったお宝。姉・もえぎさんの鑑定結果は250万円で本物だった。今回も前回と同様にネットオークションで40万円で入手したお宝、サルが101匹描かれた「森狙仙の掛軸」。
森狙仙は「猿を描いて並ぶ者なし」と称された江戸時代後期の絵師。1747年、大坂の生まれ。絵師だった父の影響で狙仙は2人の兄とともに狩野派を学んだが兄たちが様々な画題を描いたのに対し、狙仙は動物画、とりわけ猿を好み、「猿描き狙仙」と呼ばれた。特に手描きの筆致は天下一品。一本一本丁寧にふわりとした柔らかな質感までも巧みに表現している。狙仙は猿の描写を極めるべく、猟師から譲り受けた猿を自宅の庭で飼い我が子のように慈しみ見つめた。すると喜怒哀楽などまるで人間のごとく豊かな表情を描き分けるにいたったが、あるとき狙仙の絵は自然の真の姿を捉えていないとの痛烈な批判を浴びてしまう。すると3年間山にこもり野生の猿をひたすら観察。行動をともにしながら彼らにならい食料を手づかみで食べるなどその仕草・生態までをも真似、数千枚におよぶ写生を行った。そして画風は一変。すごみが増した。例えば厳しい自然のなか、子猿を見守る親猿。その表情は険しい。狙仙の絵の前に猿を連れていけばたちまち飛びかかったとの逸話も残されている。かの円山応挙も迫真の描写に舌を巻き「真を超えて古今無双」と呟いたという。還暦を過ぎた頃。狙仙は自らの名を示すへんの「祖」からけものへんの「狙」へと変えた。これはおそらく猿の絵では自分に並ぶものはいないという強い自負の現れ。「秋山遊猿図」はたて164cm、よこ271cmの大画面で山で遊ぶ5匹の猿と2頭のシカを描いた晩年の傑作。中央の松と岩をゴツゴツとした輪郭線で表す一方、猿とシカは緻密で柔らかな描線で手書きしており動物の軽やかさや躍動感がより一層際立っている。かすかな音に耳を澄まし警戒する仕草、母猿に必死にしがみつく子猿の愛らしさ。まさに狙仙の真骨頂といえよう。改めて依頼品を見ると「群猿図」はたて152cm、よこ84cm。奥深い山中に木や岩の上で101匹の猿が戯れている。足をかくもの、喧嘩するもの、ハチの巣を大事そうに抱えるものなど1匹1匹丹念に描きあげている。名がけものへんでないことからすると還暦以前の作か。
依頼者の本人評価額は250万円としていたが、鑑定結果は650万円となった。安河内さんは「本物の本物の森狙仙の軍猿図ですね。非常に力作だと思う。森狙仙は背景は簡略化するが、書き込んだものは珍しい。」などと評価した。
「推し活」とはアイドル、俳優、アニメのキャラクターなど自分のいち推しを応援することで、推し活に励む依頼人が集まった。ゲストコメンテーターはフリーアナウンサーの宇垣美里さんで、マ・ドンソクという韓国の俳優を推しているそうだ。
クイーンのブライアン・メイを推している依頼人が登場。ブライアン・メイは1971年にクイーンを結成し、史上最高のロックギタリストの1人とうたわれ、76歳の今でも現役だ。依頼人は46年前にもらったブライアン・メイ直筆の手紙を鑑定に出した。14歳のときに、拙い英語でファンレターを書き、手作りのマスコットと自分の写真を添えて、イギリスのファンクラブに送ったところ、1年近く経って届いたという。依頼人は本人評価額を10万円としたが、鑑定結果は30万円だった。ブライアン・メイは昔からファンに対する返信をまめにやっていたそうで、イギリスのファンクラブ会員向けに送った70年代に書いた手紙と書体がほぼ同じだったそうで、便箋と封筒も当時のオフィシャルのものだそうだ。
非常勤講師の林真司さんは、漫画家の手塚治虫さんをこよなく愛しており、2万点ものキャラクターグッズを収集しているという。昨年には岐阜県博物館でコレクションを展示し、費やした金額は500万円を超えるという。今日持ってきたのは、光文社カッパコミクスの「鉄腕アトム」全34冊。帯が残っている本は滅多にないため、帯だけ別で購入したという。これらの漫画本の評価額は42万円だった。
会社員の佐藤純一さんは、プロレスラーの三沢光晴さんを推しているという。三沢さんはキレのあるファイトスタイルで活躍し、2000年にはプロレスリング・ノアを旗揚げした。佐藤さんは、三沢さんを推しすぎて、自分の結婚式で入場曲の「スパルタンX」を流そうとしたが、妻に却下されたという。佐藤さんが持ってきたのは、三沢さんのサイン入り実使用コスチュームで、2008年のプロレスリング・ノアの感謝祭で購入したものだという。
三沢光晴のサイン入り 実使用コスチュームの鑑定結果は50万円。三沢さんの使用感があふれている、貴重な形見であることが評価された。
自営業の藤岡勲さんは、妻の次にザ・ベンチャーズのノーキー・エドワーズさんを推しているという。ノーキー・エドワーズさんは1960年代にザ・ベンチャーズのギタリストで、日本にエレキギターブームを巻き起こした。藤岡さんはノーキーさんに心酔しすぎて、1997年の来日の際には大阪公演を主催し、300万円の赤字となったが妻からは「やってよかったね」と言われたという。今回、藤岡さんが持ち込んだのはノーキー・エドワーズさんのサイン入りギターで、大阪公演のときに「ミスターフジオカ ベストフレンド」と言って直接サインしてもらったという。また、このギターは「モズライト’63 ザ・ベンチャーズモデル リイシュー」で、妻がサプライズで55万円で買ってくれたものだった。鑑定結果は25万円だった。ノーキーさんが様々なところでサインをしていること、ギター自体は貴重だが使い込まれていることから、この評価額となった。
パート勤務の宮本美佐子さんは、漫画家のわたなべまさこさんを推しているという。わたなべまさこさんは1952年にデビューし、1971年に「ガラスの城」で第16回小学館漫画賞を受賞した。94歳の今も現役で執筆を続けているという。わたなべさんが持ち込んだのは、「白馬の少女」が掲載された雑誌「少女ブック」36冊と別冊付録26冊。白馬の少女は単行本化されていないため、この雑誌でしか読むことができないという。その貴重さが評価され、評価額は45万円だった。
福島県伊達市の渡辺浩さん(72歳)が依頼人だ。20年前に銀行を早期退職したのを期に、ネットオークションの絵画収集にハマり、気に入った絵があると買ってしまうという。飾りきれなくなった絵は廊下や空き部屋になっている娘さんの部屋を占領している。10数年前、ネットオークションで発見した「斎藤清の直筆画」がお宝として出した。
斎藤清はひたすらにシンプルとモダンを追い求め、版画界に新たな地平を開いた。1907年に福島県会津坂下町に生まれ、4歳のときに父親が事業に失敗し家族で北海道に移住するも、12歳で最愛の母が他界。平穏とはほど遠い暮らしの中で、唯一のなぐさめは絵を描くことだった。20歳のときに看板店を開業すると、デザイン力に優れ注文は引けも切らなかったが、画家になる思いを捨てれず、4年後に店を無償で知人に譲り上京した。転機が訪れたのは29歳のときで、銀座の画廊で安井曾太郎の版画の「正月娘姿」を目にし、最初に手掛けた木版画は「少女」という作品だった。翌年に26年ぶりに会津を訪れると、厳しい自然の美しさに惹かれ、版画で表現したいと思うようになった。以来、斎藤はありとあらゆる技法に挑戦した。依頼品は斎藤清の水墨画の「会津の冬大志田」だ。
世界的版画家の斎藤清の直筆画の鑑定は3000円だった。山村氏は「贋作。メリハリもないし、全体的に間延びしている。もし本物だった150万くらい。」などと話した。
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