めざまし8 ニュース 9時またぎ
色鮮やかに柵コスモスの上に朝霧がゆっくりと降りてくる。おととい三重・御浜町で確認されたのは幻想的な秋の景色「風伝おろし」。熊野古道の風伝峠を越えて流れる大量の霧。前日の雨や寒暖差が大きかった翌朝など様々な気象条件が重なった時に現れる現象。秋の到来を告げる景色が見られる中、きのう、東京の最高気温は20.8℃。きのう訪れた山梨県では富士河口湖紅葉祭りが今月20日(水)まで開かれている。もみじ回廊は例年この時期、真っ赤に色づいた紅葉が見られるが、きのうはまだ緑のトンネル状態。そのためわずかに色づいた葉に群がる姿も。苦労して撮った映像だがどうしても鮮やかな緑が。今年の秋の異変を表す1枚となった。
先週末に河口湖周辺をドローンで撮影した映像では、湖畔の1本1本の木々の色づきは黄色や赤など紅葉がしっかり進んでいるように見えるが、奥の山々に目をやると全体的な色づきはまだ緑が多い。本格的な紅葉には至っていないことが分かる。ここまで紅葉の色づきが遅い理由について、植物の研究を行う専門家である東北大学植物園・伊東拓朗助教は「10月の気温が高かったのが原因だと思う。最低気温8度を下回ると色づきが始まると言われているがそれに至らなかった」。富士山もいつもなら頂が白い雪に包まれているはずだがまだ薄化粧程度。
長崎県で紅葉の名所として知られる仁田峠(長崎・雲仙市)。今年は例年より2週間程度遅れてようやく見頃を迎えた。一方で毎年紅葉を見に訪れるという地元の人からは「一番いい時と比べたら紅葉が少ない。今年はここから見ると落葉している感じがする」という声も。同じような現象は福岡でも。福岡・糸島市にある雷山千如寺大悲王院の境内にそびえ立つ樹齢400年を超えるイロハカエデ。本来この時期は真っ赤に色づくはずだが、今月11日の色づきはまだ5割程度。高知・四万十市の黒尊渓谷でも川のもみじが色づき始めているが、葉をよく見ると茶色くなっていたり色づきが遅れていることが分かる。専門家はその色具合についても異変が起きていると指摘。東北大学植物園・伊東拓朗助教は「場所によっては夏の高温の影響で葉っぱが傷んでしまっていて、すでに茶色く変わってしまっている。その影響で紅葉シーズンになってもあまりきれいな色が出ていない植物がたくさんある」とコメント。
季節外れの温かさの影響は農作物にも。茨城・古河市の畑では、キャベツが出荷できないほど巨大化。