- 出演者
- タモリ 渡辺瑠海 鈴木宣弘 木村佳乃 立花義裕
7月から列島各地で40℃以上が続出。観測史上最多の全国25地点で40℃以上が観測された。猛暑の影響は至る所に出ている。全国の熱中症患者数は過去最多ペースとなった。異常な暑さがもたらした渇水は深刻な状態になっている。胆沢ダムでは至る所で地面がひび割れ旧ダムの遺構も見える状態に。記録的な水不足の一方で水害に襲われる地域もあった。吸収を始め各地で線状降水帯が発生。きのう都心でも激しいゲリラ雷雨に襲われ東京都心では1時間134mmの豪雨を記録。
日本歴代最高気温のトップ5は今年の記録が独占。8月5日には群馬・伊勢崎で日本最高気温となる41.8℃を記録した。日本は地球温暖化による異常気象が起きやすいという。
オープニング映像。
今年の6~8月に平均気温は平年より2.36℃上昇し過去最高。猛暑日も統計史上最多の83日を記録した。異常な暑さをもたらしたのは太平洋高気圧・チベット高気圧・南北傾斜高気圧のトリプル高気圧。気象庁は今月1日、関東甲信の梅雨明けが速報値より20日早かったと発表するほど今年は梅雨のない6月だった。6月の日本に夏の高気圧が上陸した原因は温暖化のよる大気の乱れ。平年の梅雨は雨雲が気温の上昇を抑えるがそれもないまま日本は異常な夏へと突入した。
7月、北海道・北見市で39℃など体温超えが続出し沖縄の最高気温を上回った。クーラーのない家庭が多い北海道で命に関わる危機だった。一部列車が運休になり熱中症の危険から学校は下校を早める対策をとった。この状況を招いたのはチベット高気圧。2年前、三重大学の研究チームは第3の高気圧の存在を発表。その形状から南北傾斜高気圧と名付けられた。
8月5日は全国の観測地点の14か所で40℃以上を記録。群馬・伊勢崎市では観測史上最高気温の41.8℃を記録した。立花教授は海水温上昇の影響にも警鐘を鳴らしている。8月の集中豪雨は梅雨がなかったため起きたと推測している。海水温の上昇が今後も梅雨のような気象状況を生み予想できない台風が発生することもあるという。
7月10日、横浜市で爆発したかのように道路が破壊され水柱が吹き出した。4台の車が破損し母子が軽傷を負った。下水道を管理する横浜市も今回のケースは想定外だったという。横浜市は集中豪雨などに対応するため下水道を3本に増設し圧力開放型のマンホールのふたを採用するなど1時間60mmの豪雨に備えていた。しかし事故当日、1時間あたり100mmの豪雨が降ったとみられる。
横浜市の事故の原因は下流から運ばれ圧縮された空気が爆発に近い圧力を生んだと森田教授はみている。圧力開放型のマンホールはふたの裏の部品で雨水や空気を逃がせるタイプ。しかし横浜市の場合は想定を超える圧力だったと考えられる。
温暖化に伴い突風被害も増加傾向にある。去年7月、埼玉県南部を襲った突風は東西に約50kmの広範囲に及んだ。さいたま市内では4万軒以上が一時停電、志木市ではゴルフ場の巨大な支柱が10本以上も倒れるなど様々な被害が出た。防衛大学校・小林教授のよると突風の正体はダウンバースト。ダウンバーストは突風広範囲で吹き荒れる突風のこと。
ダウンバーストをもたらす積乱雲は強いほど雷も鳴る。タモリは駿河湾でヨットに乗っていると急に風が吹いてきて船が斜め45度に傾き九死に一生の体験をしたと明かした。ダウンバーストをスタジオで再現した。水が入った容器にドライアイスを入れてシャボン液で容器にフタをするとダウンバースト現象を再現できる。ダウンバーストは急に発達するため予測が難しい。予兆がある場合は外出を控える、真っ黒な積乱雲を見つけたらすぐに逃げることが大切。
ゲリラ雷雨予測の最前線にタモリが直撃。7月と8月に全国で発生したゲリラ雷雨は60985回。9月は約17000回発生すると予測されている。ゲリラ雷雨急増の一番の要因は猛暑。
去年夏、都内で1時間100mmの雨が降ったとみられ市ヶ谷では駅構内が浸水した。ゲリラ雷雨の定義はないが1時間に100mmを超える雨を降らせることがある。気象庁によると降水量100mmの場合、1平方メートルあたり100Lの雨がたまる。場所によっては10cm以上の水位になることもある。この状況を打開すべく様々な取り組みが行われている。東京都ではプール約4800杯分の水をためることができる環状七号線地下広域調節池の建設が進められている。
ウェザーニューズのゲリラ雷雨の予測精度は90%以上。水蒸気量などを分析しゲリラ雷雨の前兆が出ている場所を特定。特定された地域のサポーターから届いた画像や全国に設置されているソラカメの映像を活用する。ソラカメはアプリユーザーが雲のリポートをしてポイントが貯まるともらえる仕組み。画像や映像をAIが解析。データが集約された画面でゲリラ雷雨アラームを発令する。
雷雨の可能性がある怪しい雲の見極めを紹介。頭巾雲は雲が強い上昇気流に伴って急成長している時に発生する。かなとこ雲は雲ができる限界の高さまで成長するため分厚い積乱雲となり激しい雨を降らす。怪しい雲を見たら突風・雷などを引き起こす可能性があるためすぐに安全な建物に避難することが大事。
台風を飛行機から直接観測する研究者たちがいる。中心メンバーの名古屋大学・坪木教授のよるとドロップゾンデと呼ばれる計測器を1つの台風に約20個投下する。ドロップゾンデは落下しながら台風の情報を1秒ごとに送信する。台風の勢力予想は衛星画像からの推定しているが台風予測の精度向上が直接観測の狙い。実際に予測数値と直接観測のズレが最大風速で10m/秒違ったこともある。直接観測は海からも行っている。沖縄科学技術大学院大学・御手洗教授らが行っているのはウェーブ・グライダーを使った台風の真下からの観測。気象観測の最前線では無人航空機が進化している。現在運用中の気象ドローンR-SWMは風向・風速などのセンサーを搭載している。
猛暑による農作物の影響は米にも出ている。正常な米は透き通っているが白濁した米はデンプンが詰まっておらず隙間ができて白く濁って見える。こうした米は白未熟粒と呼ばれている。暑さに弱い新潟のブランド米・コシヒカリを守るため新品種の開発が進められている。過酷な暑さを耐え抜いた稲を選別しコシヒカリとかけ合わせて新潟で作り続ける道を模索している。一方、猛暑を逆手にとった栽培方法も。茨城・水戸市では8月末に早くも稲刈りが始まっていた。温暖化で長くなる稲の生育期間を活用し1年に2度収穫できる米農法・再生二期作を実施している。通常の稲作と変わらないという再生二期作はおととし開発されたばかりの新農本。
日本の食料自給率は38%、うち東京の食料自給率は0.4%。世界同時不作で輸入が止まれば日本人の6割が飢える可能性がある。
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国立環境研究所・肱岡さんによると年間平均気温が1℃上昇するのが2040~2070年頃に到達すると予想されている。年間平均気温が1℃上昇した未来の生活シミュレーションを紹介。日中の暑さを避け夏は超朝型生活に変化。外出時は強い日差しを避ける服やサングラスが不可欠。夏期はリモート授業が増加、児童の登下校に保護者の付き添いが義務化。製品評価技術基盤機構は発火リスクがある劣化したモバイルバッテリーになどに注意を呼び掛けていて、気温が上がった未来では発火事故が増える可能性がある。人々の働き方にも変化が起き夏期の屋外作業は深夜~早朝にシフトするとの見方もある。夏場は火を使いたくないという理由で自然解凍の冷凍食品などの需要が高まるとみられる。気温上昇で激しいゲリラ雷雨も増加する。