- 出演者
- タモリ 渡辺瑠海 木村佳乃 平田直 高荷智也 有川太郎
オープニング映像。
高知・黒潮町は南海トラフ巨大地震の被害想定で日本で最も高い津波がくると言われている。最大津波高は34.4mと推定されている。タモリらは津波避難タワーを訪れた。高知県には126基の津波避難タワーがあり黒潮町に整備されているものは6基。佐賀地区のものは日本最大級の高さ。津波避難タワーには命を守るための4つのポイントが隠されている。最上階まで階段は約4分、スロープは約6分。登る際に時間差ができることで避難時の混雑を避ける狙いがある。
津波で流された家や船から津波避難タワーを守るための柱は壊れても影響がでないように独立している。佐賀・浜町地区の最大津波高は18m。7階には避難器具が置かれている。津波で階段・スロープが流された場合の第2の出口となる。高知・黒潮町はリアスとよばれるV字型の湾が特徴で、湾が徐々に狭くなることで奥側にエネルギーが集中することや岩礁が多いことが理由で日本で一番高い津波がくると予想されている。8階避難フロアは1m四方に1人座る想定として約110名を収容可能。
南海トラフ地震で日本最大の津波が想定される高知県。津波避難タワーの他にも水上浮揚式の津波避難シェルターを各地に設置している。さらに日本で唯一のトンネル型津波避難シェルターや被災地の不安を取り除く非常食を開発。
南海トラフ巨大地震で想定される死者は最大32万人以上。そのうち津波による死者は約23万人。国が指定した津波避難対策特別強化地域は1都13県139の市町村にのぼる。和歌山・田辺市は津波を想定したシミュレーション映像を作った。映像は津波被害の恐ろしさを住民に実感してほしいと制作された。こうしたシミュレーション映像の作成は多くの自治体が行っている。千葉・東京・神奈川の津波死者は最大約6000人と試算されている。
政府は南海トラフ巨大地震に関してマグニチュード8~9クラスの巨大地震が今後30年以内に発生する確率を80%程度とした。南海トラフ巨大地震は東日本大震災の10倍以上の被害が想定される。
南海トラフ巨大地震で発生した地震のエネルギーは九州・四国の全域、首都圏にまで到達する。高層マンションも増えた今、注目されているのは長周期地震動。長周期地震動は地震の揺れに建物が共振し上層階ほど揺れが大きくなる現象。今回、世界最先端の振動台を使い高層ビルの揺れを再現。
世界最先端の振動台を使い、南海トラフ巨大地震の長周期地震動を想定した高層ビルの揺れ再現。横揺れは最大約2m。長周期地震動が与える影響は他にも。東日本大震災では震源から約700km離れた大阪市でビルのエレベーターが停止し人が数時間閉じ込められる事態が発生。内閣府は被災や停電などにより最大約2万3000人がエレベーターに閉じ込められると想定している。一方、大規模火災も懸念されている。中でも危険性を指摘されているエリアは大阪市生野区の西側。国交省は密集市街地に指定している。密集市街地は東京や神奈川などにも点在。火災旋風が発生すると被害が拡大する恐れがある。政府は2030年度までに密集市街地を解消させる目標に道幅を広くするなどの対策を急いでいる。南海トラフ巨大地震では津波による死者も最大約23万人、携帯電話・インターネットは地震発生直後から通信困難な状況が数日間続くと想定されている。また広範囲で停電し復旧に1~2週間かかると想定されている。食料品・飲料水も全国各地で1週間以上不足する可能性が高いと専門家は指摘している。
1年経った今も復旧作業に追われている石川・珠洲市。今も住民は避難生活を余儀なくされている。避難生活を続ける女性は去年1月の地震以来、水道はきていないと話す。石川県では上水道管の約2000ヵ所、下水道管の約6%が破損したため今も復旧作業に追われている。今年1月埼玉・八潮市で起きた陥没事故でも指摘されている水道管の老朽化問題。南海トラフ巨大地震では日本各地で1年以上水道が使えない家庭が出てくる可能性がある。
南海トラフ地震発生の仕組みを模型で解説。南海トラフ地震に大きく関係するのはユーラシアプレートとフィリピン海プレート。フィリピン海プレートは1年で数cmの速度で沈み込んでいて地下にひずみが蓄積されている。これが限界に達したところで跳ね上がる地震が発生する。
南海トラフ巨大地震で想定される津波の高さは高知・黒潮町で最大34.4m、静岡・下田市で最大33mなど。大きな特徴は津波襲来エリアの広さと津波到達までの時間の短さ。早いところでは地震発生後、わずか2分で津波が襲来する場所もある。都市を津波が襲った場合、強固なビルが多いため縮流という現象が起こる。縮流は進行する通り道が狭くなった場合に勢いを増す現象。東日本大震災でも縮流とみられる現象が発生した。
柳下アナはが都市部を襲う津波「縮流」の威力を体験。約30cmの津波と約50cmの津波の2つの津波の威力を比較検証した結果、高さ約30cmではなんとか踏ん張ることができたが高さ約50cmでは押し流されてしまった。さらに勢いを増した津波は都市の入り組んだ道路で思わぬ流れを生む。
津波被害を疑似体験できるVR実験装置で木村佳乃が「縮流」の強さを体験した。通常の津波でも1mの高さで致死率は100%と想定されている。津波の速度は時速30km。津波の高さ1mで乗用車は浮き上がる。
長い歴史の中で南海トラフ地震は繰り返し発生してきた。記録に残されている最古のものは684年の白鳳地震。1707年江戸時代の宝永地震では地震発生から49日後に富士山が噴火し火山灰が江戸の町に約2cm堆積したと記録されている。タモリは南海トラフ地震の爪痕が残る室戸岬を訪れた。室戸岬の地層を分析することで次の南海トラフ地震を未来予測できるという。ダービダイト層は南海トラフ地震にともなって出来たものもあり地震の化石とも呼ばれる。地層がしましまなのは地震などで巻き上げられた土砂が海底に流れ込み重い砂が先に軽い泥がその上に積み重なったため。しましま地層が陸上にあるのはプレートの力が加わることで地層がおれまがり盛り上がったため。
室戸岬は海底のしましま地層が盛り上がってできた場所。室戸岬は南海トラフ地震の将来的な予測の一つのモデル。地震が発生した際に隆起が予測のポイントになる。隆起の仕組みは地震発生時に地面が持ち上がり、地震発生後に徐々に地面は沈む。直近3回の南海トラフ地震の隆起量と地震が起こるまでの間隔に関係があるという。隆起量が大きいと次の地震まで長くなり、隆起量が小さければ次の地震までの間隔が短くなると推測できる。この推測に基づくと次の南海トラフ地震発生は2035年。
1944年12月7日に発生した昭和東南海地震はマグニチュード8.2、津波被害は伊豆半島~紀伊半島に及び最大9mの津波が観測された。被災者たちは当時の様子を鮮明を覚えている。全壊家屋は約2万6000棟。死者は1223人にのぼった。1946年12月21日に発生した昭和南海地震はマグニチュード8.4、全壊家屋約1万1500棟、死者は1330人と記録されている。2つの地震を新聞で比較すると同程度の被害でありながら扱いの差は歴然、記事の面積は10倍ほど違う。専門家はこの差には戦争という国の状況が大きく関わっていたと指摘する。昭和東南海地震は戦争している最中の地震で日本は具体的な被害の様子を報道することを禁じた。地震被害の隠蔽の証拠が国立公文書館に残されている。それは国民の戦意を失わせないための措置だった。一方、2年後の戦後に起こった昭和南海地震では当時の津波の被害記録が映像として残されている。
地震計・津波計は明治時代に発明されたが江戸時代より前は紙に書かれた記録が残っている。一方、昭和19年の昭和東南海地震は国が隠そうとした地震。
黒潮町缶詰製作所の缶詰はふるさと納税の返礼品で2位、年間1億円以上を売り上げている。こだわりは8大アレルゲン不使用。友永さんは東日本大震災で食物アレルギー問題の深刻さを感じたという。この工場では全て手作業で詰めていくが計量が作業は思っている以上に難しいという。