ザ・ノンフィクション 私が踊り続けるわけ4 58歳のストリッパー物語 前編
日本最高齢のストリッパーである星愛美さん。抗がん剤の副作用と戦っている。ステージ上では年齢などを感じさせないほどエネルギッシュなパフォーマンスをし、男女問わず惹きつけている。愛美さんは2023年に肺にがんができている可能性があると8時間に及ぶ手術を受けた。そんな愛美さんは母親と2人暮らしで治療に苦しむ娘の姿を見続けて半年、母は娘を傷つけないよう気配りしてきた。自室は療養のための部屋でもあり人生に思いを張り巡らせる部屋ともなっていた。
中学生の頃の愛美さんは生活は荒れていた。歌手になれると騙され紹介されたのはセミヌードのモデル。19歳で結婚、死産を経験し21歳で離婚。AV女優を経て23歳でストリッパーとしてデビューした。その後再び六本木のママなどをしてきたが37歳の時に子宮頸がんを患って子宮を全摘出し、長い闘病生活を経て再びストリッパーに復帰した。そんな生活をハラハラしながら見守っていた母は夫も波乱万丈な生活を送っていて「何でうちだけがこうなのかな」って年中考えているなど話した。2024年4月、抗がん剤治療をやめようと悩んでいたが診断結果の数値が高くなっていた。しかし体力を失いながら治療を続けるよりもやめて残りのステージに人生を打ち込むことがやらなきゃいけないことということに逆に気が付いたなど話す。咳き込みながらもステージに立つため筋トレを行う。ステージに立ちたいという思う背景にはファンの存在がある。
自らを「星組」と呼ぶファンは全国からステージを観に訪れている。その一人であるスーさんは末期がんを患っているが長崎から通っていた。そんなスーさん2022年8月に旅立った。2024年4月、還暦ステージに向けて愛美さんが本格的に動き出す。ステージ担当のみーちゃんと衣装の打ち合わせを行う。衣装が決まり、本格的な稽古も行うが本番まであと1月、体調が何処まで回復するのかが懸念される。愛美さんは生きるチャンスを頂いたからものすごくいい発想が自分の中でいいステージにできるといいなと話す。しかし、抗がん剤治療をやめたこともあり痛みなどから前向きな気持ちに体がついてこれない。スタッフが愛美さんが疲れている事に気づいて質問するととてもお世話になった方が亡くなってしまったという事をきのう警察の方から連絡があったという。最後のやりとりしたのが愛美さんでそのための問い合わせだった。それでも立ち止まるわけにはいかない愛美さん、本番通り衣装替えの時間も計算しながら稽古を行う。