未来予測反省会 未来予測反省会
ヒューゴー・ガーンズバックは1923年に「50年後には車が空を飛び交通渋滞がなくなる」と予測していた。ガーンズバックがそのような予測した背景を紹介。人類は昔から自由に空を飛びたいという願望を抱き続けてきた。19世紀にガソリン自動車が登場すると人々は好きな時に好きな場所へ自由に移動できるようになり、ものすごい勢いで普及した。その後、ライト兄弟が飛行機の初飛行に成功。1905年には空中モーターカーが構想された。そうした機運の中で最初に生まれた空飛ぶクルマがカーチス・オートプレーン。しかし、第一次世界大戦が勃発し、開発が中止してしまった。1920年代のニューヨークは交通渋滞が問題になっていた。その唯一の現実的な解決策が「車が空を飛ぶ」。ガーンズバックは1923年に自動車×ヘリコプターのヘリカーを発表。50年後の1973年に実現すると予測していた。結局、ヘリカーは実現されなかった。理由はプロペラを畳んで道路を走ることが技術的に困難だったため。しかし、その後も人類は空飛ぶ車の実現へ向けてあくなき挑戦を続けた。1947年にはコンベアモデル118が開発されたが、1時間のデモ飛行中に燃料不足で不時着。車体は破損。パイロットは無事に救出されるという出来事があった。1951年にはテイラー・エアロカーが開発されたが、注文が集まらず、商品化されなかった。普及しなかった理由はそれほどスピードが出なかったため。
1950年代、ヒラー・エアリアル・セダンという空飛ぶ車が構想された。前後2つずつ 4つのファンがあり、滑走路を使わずに垂直に上がる。今のドローンを大きくしたものに近い形。画期的とされたものの、実現はせず。ヒラー・エアリアル・セダンに似たVZ-7エアジープが生まれたが、同じ出力のエンジンを備えたヘリコプターより燃費が悪かったといい、開発は続かなかったそう。失敗続きの空飛ぶ車。未来を見誤った原因は、飛行性能と走行性能をともに満たして道路の幅に收めることが技術的に難しく中途半端になってしまったことだという。現在、ドローンを応用したモデルを中心にアメリカ・中国・日本・ドイツなどでの開発が進み、国際提携も行われている。「空飛ぶ車」から「空飛ぶクルマ」と呼ばれるようになったが、「空飛ぶ車」は自由に行きたいところに行ける道を走る乗り物、「空飛ぶクルマ」は自由に行きたいところに行ける乗り物という違いがある。
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