桂米朝 なにわ落語青春噺(ばなし) 桂米朝 なにわ落語青春噺
桂米朝が復興した上方落語。若いスターも次々生まれた。番組宛のはがきへの軽妙な応えで頭角を表した松鶴さんの弟子・笑福亭仁鶴さん。喜怒哀楽を顕にした豊かな表情と、記憶に残る決め台詞がテレビで爆発的人気を呼んだ。のちにNHK大阪とも深い関わりを持つようになる。身近なトラブルを法律で解決する「バラエティー生活笑百科」の司会を31年間務めた。若者の間で圧倒的な人気を誇ったのが桂三枝。キャッチーなギャグを連発。現代的で親しみやすい語り口がラジオの深夜放送で大ブレイク。桂三枝さんが打ち込んだのは創作落語。ネタの数は300を超えた。代表作は、坂本龍馬や近藤勇が一緒にゴルフをするという「ゴルフ夜明け前」。昭和40年代~50年代、関西で若手落語家たちはアイドルに。寄席やテレビ局には出待ちの若者が行列を作るほど。上方落語復興に尽くしたベテランから売り出し中の若手まで大阪中の落語家が全員集合した番組。空前の上方落語ブームに米朝さんは「うまいこといけばよろしいけど、いかなんだらクズみたいなもん」などと話した。この頃米朝一門は、20人を超える大所帯となっていた。その中から生まれた最初のスターが桂枝雀さん。枝雀さんの落語への没頭ぶりは郡を抜いていた。ネタをやり切るまでひたすら歩くのが枝雀流の稽古。米朝さん家では集中するあまり、ガラスを全部割ってしまったという。米朝さんのもとで青春を過ごした皆さん、数十年経った今も師匠の思い出話に花が咲く。