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テーマ「米中首脳会談による中国側の成果は」。第一ライフ資産運用経済研究所・西濱徹の解説。対決の回避という観点では一致したとみられるが、中国の覇権争いの動きは続いていくだろう。11月に予定されているアメリカの中間選挙に向け、トランプさんが何らかの経済的な成果を重視した動きだったと考えられる。首脳会談でアメリカ側は経済的な協力を強化する方針でまとまったとしているが、中国側は全ての合意事項についてはあくまでも暫定合意となっていて、認識の齟齬は避けられない。米中の間で温度差が歴然とする内容だった。イラン問題では中国は中東情勢の緊迫化による影響は受けている。ホルムズ海峡の航行の自由化は中国にとっても喫緊の課題であり、イランが徴収する通航料に反対したのは中国の利益を重視したと言える。イランは通航料を人民元やステーブルコインで徴収しているとの報道がある。人民元の国際化を支えている動きにもなっており、中国は強硬に反対するかは見えにくい。イランの核兵器保有禁止に合意したとあるが、事態沈静化に向けて中国が積極的に動く可能性は極めて低い。
第一ライフ資産運用経済研究所・西濱徹の解説。中国が最も重視しているとみられる台湾問題について、アメリカ側の発表では一言も触れていない。会談前にルビオ国務長官が台湾問題は議題にのぼると発言していたが、全く触れられていないのは不自然さが否めない。中国側の発表では非公式会談で習近平さんが釘をさすような動きを見せている。戦略的曖昧さや台湾に対する武器売却に対してアメリカは現状変更しない姿勢を示しており、日本の懸念は後退したと考えられる。NVIDIA・フアンCEOが訪中団に加わるなど、半導体やAIの問題で事態打開への期待が市場にあったが、半導体が議題にならなかったこともあり、互いに譲れないところがあった。習近平さんの中には米中関係をG2の形に発展させたい狙いもあった。中国は今後の米中関係について「建設的戦略的安定」と位置づけだことにも表れている。中国は米中関係の「建設的戦略的安定」について「積極的安定」「健全な安定」「恒久的安定」「永続的安定」と考えている。今回の会談で短期思考を強めるアメリカと長期戦も辞さない中国という時間軸の差が改めて浮き彫りになった。中国は軍事的衝突は回避した一方、中長期的には依然として主導権争いを狙っていると考えられるため、日本は中国の狙いを見ながらどう対峙していくのか、色んな国を巻き込みながら中国と対峙していく必要性がより高まってきた。
