ワールドビジネスサテライト The追跡
日銀が利上げ。FRBは政策金利5.25%〜5.5%据え置き。さらに9月に利下げを示唆した。日本の利上げは世の中の見立てでは7月の可能性は低いと言われていた。植田総裁の記者会見では、今後の利上げに積極的に受け取られる発言が多かったという。それが今の円高株安にも繋がっているという。FRBが具体的に9月と出すのは以外だったので、利下げの可能性も強まったという。大きく反応したのが為替。歴史的な円安ドル高が進んできたが、円高ドル安の方向になるかについて、アメリカの景気の不安や日米の金利差が縮まることが織り込まれているが、年明けの141円台を越えていくような経済環境にはいっていないので、次第に歯止めはかかってくるという。
日米の金融政策決定についてエコノミストなどに緊急アンケート。日銀の追加利上げに対する評価について、「評価する」57%、「評価しない」43%。評価しない人の意見は、「個人費が弱いのは明白。中小企業は円安に加え金利でも苦境に」。植田総裁はこれまでの発言で7月の利上げの可能性を意識させることはあまりなく、その点では地ならしが不足しているという印象があるという。発言が変わったことについて、政府サイドからの要請があった可能性があるという。年内の利上げ見通しについて、「1回」67%、「0回」33%。ここ数日で円高ドル安が進み、アメリカの景気不安も出てきているため見通しが変わる可能性があり、株安にもなっているため政府が一転して利上げするなという可能性もありうるという。多くのエコノミストは、最終的な政策金利は多くが1%程度とみている。
パウエル議長は9月の利下げについてはわかりやすく示唆していたが、一方で回数などについては慎重な言い振りだった。米国FRBの利下げ回数見通しについて、アンケートでは「2回」76%、「1回」14%、「3回」10%。ドイツ証券・小山さんは「インフレが静まるエビデンスがそろっている」、SOMPOインスティチュート・亀田さんは「米国経済は堅調さを失っていない」、ニッセイ基礎研究所の上野さんは「物価上昇圧力の根強さへの警戒は安易に解消しない」としている。パウエル議長はこれまで、インフレ対峙のために高い金利を続けると行ってきたが、インフレより雇用を紀にする発言も目立った。雇用の下振れに備え、利下げをしていく姿勢も示していたので、年内2回の利下げも十分ありうるという。その他のリスクについて、大和証券・久後さんは「トランプ氏がインフレ政策を実施すれば利下げ幅派縮小か」と指摘。