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世界的な人気を背景に、抹茶の輸出が拡大している。外国人観光客が多く訪れる東京・築地の一角にある日本茶店「寿月堂 築地本店」。インバウンド客のお目当ては日本産の抹茶だ。先月のインバウンド客による売上高は1年前から20%以上増加した。抹茶人気は、世界に広がっている。抹茶を含む緑茶の輸出額は増加を続けていて今年はさらに増加するペースで推移している。世界的な抹茶人気で、茶の産地はどう変化しているのか。静岡県内有数の生産地、掛川市で4代にわたって茶農家を営む堀井さんは、これまでもっぱら煎茶を栽培してきたが2年前から、抹茶の原料となるてん茶の栽培を始め、生産を拡大している。
一般的な緑茶飲料に使われる煎茶と抹茶の原料であるてん茶は、栽培方法が異なる。てん茶を作るためには育てる際に黒い布を覆いかぶせる被覆と呼ばれる作業が必要だ。煎茶に比べ栽培の手間はかかるが切り替える判断の決め手となったのが、てん茶の価格上昇だ。実際2024年産の茶葉の価格では抹茶の原料となるてん茶は1キロあたりおよそ3300円と煎茶と比べて2倍以上の価格差があった。てん茶の生産量は10年前から2.7倍に増加している。甜茶栽培への転換は広がり始めている。静岡市の茶農家の石井さんも煎茶などを作っていた畑を今年から順次、てん茶の栽培に切り替えていくという。世界の抹茶の市場規模は拡大を続けていて今後も2033年にかけて、年平均7%程度で成長すると予想されている。農林水産省も今年、煎茶などから栽培への転換を促し輸出拡大を目指す方針を打ち出した。
