ナゼそこ? 世界ナゼそこに?日本人
ベナン共和国に嫁いだ陽子さんのもとを訪ねた。ベナンの農村部では今でも一夫多妻制で、陽子さんは第二夫人。夫ボナさんは約120キロ先に住んでおり、1か月に2回ほどしか帰ってこない。第一夫人との間には4人の子どもがいる。ボナさんは養鶏場で働き2つの家族を養っている。陽子さんも魚屋や氷屋を営んで家計の足しにしている。家はマラリア対策で蚊帳は必須。お風呂はバケツで水浴び。電気はソーラーパネル。陽子さんは子どもたちと朝ご飯を買いに行った。ブイはトウモロコシの粉を溶かしたスープ。ドコはサーターアンダギーに近い味わい。ブイとドコを3人分購入した。取材中、ボナさんが家に帰ってきた。陽子さんの7つ年下だった。結婚を機に日本語を覚えたという。一家は車でボナさん一族が生活する場所を訪れた。陽子さんは第一夫人とは何回も会っており、お互いの家も行き来するという。陽子さんは明石市で生まれた。双子の姉の優子さんは日本で歯科医師を結婚して生活している。看護師をしていた陽子さんは人の死の現実に直面して自律神経に異常が。さらに母親が早くに亡くなった。「自分で決心したことを頑張って」という母親の手紙をきっかけにアフリカで看護師をしたいと考えていたことを思い出し、青年海外協力隊でアフリカへ。そのときにベナンに配属された。陽子さんは現在も暮らす田舎町の診療所でワクチン部門に所属。ベナンの医療機関では外来・入院患者の約半数がマラリア患者という現実を知った。56の村を回ってマラリアの調査を実施したが現地の言葉がわからなかった。そんなときに唯一コミュニケーションがとれたボナさんを通訳に村巡りをスタートさせた。