ノンストップ! One Word
歌舞伎俳優・尾上右近の曽祖父は演劇の神様と言われた六代目・尾上菊五郎、母方の祖父は昭和の映画スター・鶴田浩二。本業の歌舞伎以外にも、情報番組のキャスター、バラエティー番組、ミュージカル、音楽番組など様々な 番組に出演。歌舞伎界のプリンスとして、ジャンルの垣根を越えた活躍をみせている。歌舞伎愛をベースに、新たな仕事にも挑戦している。この冬、声優に初挑戦した。壮大なアフリカの大地を舞台に、生命の連環がテーマの映画「ライオンキング:ムファサ」はムファサとその弟、後に敵対するタカの若い日の兄妹の絆を描いた話題作。右近さんは主人公・ムファサ役をオーディションで獲得。右近さんは「今回、声優に挑戦し改めて声の仕事をしている人たちの凄さを感じた。歌舞伎の古典演目でも自分の感情だけではできない。型があるため、作り上げてきたものに自分が寄り添うという作業をしなければいけない。その作業の中で自分らしさ、元々ある形のものが一つになっていく時期がやって来る。アフレコもそういう感覚に近いものはやっているうちに徐々につかめた」とコメント。尾上右近さんが歌舞伎に興味を持ったきっかけは、1936年公開、小津安二郎監督の短編ドキュメント映画「鏡獅子」を見たこと。曽祖父、六代目・尾上菊五郎の「春興鏡獅子」の舞台を記録した短編ドキュメント。右近さんは「曽祖父の人間のオーラ、生命の光を感じ、そこから歌舞伎に興味を持った。父親は江戸浄瑠璃をしているため、日本舞踊と歌の稽古を同時に始めた。稽古は拍手を貰えないので未だに苦手」とコメント。右近さんは曽祖父の獅子に心を動かされ、現在、ライオンの王を演じている。