NHKニュース おはよう日本 (ニュース)
来週まで読書週間だが、文化庁の調査では「本を読まない」と答えた人が6割を超えるなど、本離れがますます進んでいる。そうした中、新しい本との出会い方で読書との距離を縮めようとする取り組みが広がっている。定山渓温泉(札幌・南区)に今年9月オープンしたのは、本屋さん。並んでいるのは、湯上がりに気軽に読めるような大人向けの絵本や、旅のエッセイなど。旅行のお供にしたくなるような、およそ2500冊。時間を気にせず、じっくり本を選ぶことができる。温泉旅館の書店開業をサポートしたのは、大手印刷会社。この会社は、全国でおよそ100の書店を手がけてきた。そのノウハウを生かし、本とは無縁の業種とタッグを組んで本と出会える新しい場を作ろうとしている。
学校現場でも新たな取り組みが広がっている。朝の読書の時間。児童たちが読んでいるのは電子書籍。1台ずつ配られたタブレットには専用のソフトが入っていて、4300冊の本がすべて読み放題。図書室では人気の本は順番待ちになることもあったが、タブレットであればいつでもどこでも読書を楽しめる。このソフトは、児童文学を多く手がける出版社が開発したもので、自治体や学校が月々の利用料を負担する仕組み。今では全国およそ300の学校に広がっている。本が多すぎて選べないという子どももいるかもしれない。AIが本を選んでくれるアプリもある。開発した都内のベンチャー企業。題材やメッセージ性、主人公の人物像など、およそ200種類の項目についてAIに学習させている。月額利用料を払ったユーザーが、本の好みなどを打ち込むと、AIがおよそ2000冊の中からお薦めの本を見つけ出してくれる。アプリは全国の図書館の予約システムと紐づいていて、本を取り置きしてもらうこともできる。