グッド!モーニング GOOD!いちおし
きょうのテーマは「再発見!知られざる北大路魯山人」。北大路魯山人は美食家にして芸術のカリスマ。その人物像が意外に知られていない。人間国宝に2回推薦されて2回とも断っている。多彩なジャンルで活躍し、どれも自らの信念を貫いた男・魯山人の幻の作品を彼が残した言葉とともに紹介する。茨城県笠間市にある茨城県陶芸美術館では陶器を中心に魯山人の作品を7月7日まで公開中。学芸課主任学芸主事・岩井基生さんが案内。
魯山人を代表する織部焼の名品「織部彫手野草長鉢(俎皿)」を紹介。自分の作った料理を出すには普通のお皿で満足いかず、器を作り始めたのがきっかけ。かつて東京・赤坂や大阪にあった星岡茶寮は料理以外にも器や室内の装飾品にもこだわった高級料亭だった。食への強いこだわりは人気グルメ漫画「美味しんぼ」の海原雄山のモデルにもなるほど。「織部扇形鉢」を紹介。扇型は広がる形が縁起の良いものとされ、魯山人が好んでいたと考えられている。横をカンナで削り、シャープな形が生み出されている。
北大路魯山人は明治16年(1883年)京都生まれ。様々な家を転々とし、父の自殺など不遇の幼少期を過ごすが、養子となった家で6歳から炊事をしていたと言われ、食は魯山人にとって特別な存在だったと考えられる。破格の大きさを誇る「伊賀釉木の葉鉢」を紹介。魯山人の生前に行われた昭和15年の個展に展示され、その図録に写真が掲載されているという。多岐にわたる芸術のすべてがトップレベルの北大路魯山人は人間国宝に2回推薦されているが2回とも断っている。茨城県陶芸美術館での魯山人クロッシングは7月7日まで開催予定。