首都圏ネットワーク (ニュース)
病気やけがをして医療機関にかかるときに欠かせない保険証が、ことし12月2日でこれまでの保険証は新規発行が廃止される。その代わりとなるのがこちら、マイナンバーカードと一体化したマイナ保険証。期日が迫る中、国も切り替えを呼びかけているが利用率は伸びていない。都内で開かれた女性特有の悩みをテーマにした展示会に多くの企業に交じって厚生労働省が出展。呼びかけたのはマイナ保険証の利用促進だ。マイナ保険証とは健康保険証の登録をしたマイナンバーカード。医療機関の顔認証付きカードリーダーなどで利用登録をすればこれまでの健康保険証の代わりになる。利用率はことし8月時点で12.43%にとどまっている。マイナンバーカードの保有者は全人口の74.8%となっていてこのうち8割ほどがマイナ保険証の登録を済ませているが実際は従来の健康保険証のほうを活用しているケースが多数となっている。都内で聞くと「よく分からない」という声も聞かれた。国が挙げるメリットが医療情報の共有。本人の同意があれば過去に処方された薬などの情報を共有でき、初めてかかる医療機関でも的確でスムーズな診療につながるとしている。一方でまだマイナ保険証に対応しておらず今の保険証でないと受診できない医療機関もある。また過去には別人の個人情報がひも付けられるミスが相次いだこともあり情報の取り扱いなどを懸念する声もある。個人情報保護などに詳しい中央大学の宮下紘教授は医療のデジタル化は高齢化が進む中で効率的に正確な医療を届けるという点で推進していく必要があるとしたうえで「もう少し長く移行期間をもうけて信頼を獲得していくことも必要」とコメントした。ちなみにこのマイナンバーカードを作っていない人、あるいはマイナ保険証の登録をしていない人などは12月2日以降、健康保険組合などの保険者から資格確認書というものが交付される。これを医療機関の窓口に提示すれば今の健康保険証と同じく保険で受診することができる。また猶予期間として最長で1年間はこれまでの健康保険証を使い続けることができる。