大下容子ワイド!スクランブル NEWSドリル
北朝鮮版イージス艦の事故で金正恩総書記が激怒。進水式には金総書記も出席。アメリカの衛星が捉えた清津の事故現場とされる画像では、事故後に駆逐艦は海に横転し戦隊シートで隠されている。21日に行われた進水式で、金総書記の目の前で駆逐艦が横倒し、金総書記は「許しがたい深刻な犯罪行為だ」と叱責。北朝鮮メディアによると、この事故をめぐり26日までに朝鮮労働党の軍需工業部副部長ら4人が拘束されたと言い、韓国の中央日報は大規模な血の粛清と伝えている。先月25日に別の場所で進水した同型の新型駆逐艦「崔賢」の推定排水量は5000トンで、北朝鮮で最大規模の軍艦とされている。朝鮮中央通信によると「崔賢」は進水後、超音速巡航ミサイルや戦略巡航ミサイルの発射実験を成功させ、視察した金総書記は海軍の核武装化を加速させるよう指示した。AFP通信によると、韓国軍合同参謀本部報道官は「公開された武器や装備を見るとロシアから技術や資金など支援を受けた可能性がある」と指摘した。横転した原因について、アメリカのシンクタンクCSISは「この造船所では普段貨物船や漁船を造船していて、大型艦の建造と進水に関する知識が不足していた」と分析。AFP通信は小型船舶に適した旧式技術で大型艦艇を進水させようとしたのが原因で、建造を急がせた金総書記の催促が事故につながったとも指摘している。
2021年に打ち出した国防5カ年計画で今年が最終年にあたる。北朝鮮は様々な最新兵器をアピールしてきた。3月には金総書記が原子力潜水艦の建造や、今月は空対空ミサイル発射訓練を視察。いずれも北朝鮮がウクライナ戦争への派兵の見返りにロシアから関連技術を受け取った可能性が指摘されている。ロシアへの派兵も軍に反映されている。金総書記は13日、特殊部隊などの訓練を視察しており、派兵経験を基にした無人機作戦が取り入れられた。AFP通信によると、韓国統一研究院主任研究員は「ウクライナ戦争で得た現代戦の経験を韓国に対して誇示している」と指摘している。アメリカ国防情報局は今月公表した「2025年世界脅威評価」報告書で、ロシアとの協力関係を念頭に北朝鮮はここ数十年間で最も戦略的に有利な位置に立ったと分析。毎日新聞客員編集委員・鈴木琢磨は「事故はヒューマンエラー。イベントを台無しにしてしまったところに金正恩氏の怒りがある。北朝鮮は韓国の大統領選挙を完全に無視している。韓国も持っていない原子力潜水艦や空対空ミサイルを見せつけている。一種の韓国への圧迫でもあり、金ファミリーの継承問題にも絡んだ重要なイベントだった」などと解説した。柳澤は「北朝鮮の軍事力は侮れないものはあるが、進水式でのお粗末な展開など遠巻きに冷静に見ると張り子の虎を見せられているような気がしないわけでもない」などとコメントした。