モーサテ 騰落率ランキング
アメリカ大統領選挙でトランプ前大統領が勝利、それにともなう景気回復期待や円安進行、国内外の決算発表に対する前向きな評価を支えに堅調な地合いを保った。FOMCを含めて日米の重要イベントを無難に通過するかっこうとなり、例年通りの年末ラリーが意識され始めている。業種別騰落率(対象:TOPIX)トップは証券、商品先物取引業10.7%、トランプ減税などを意識して国内外で金利が上昇したことは金融株全般の買いにつながった。保険業8.9%、銀行業8.7%。もっとも下落したのは空運業−1.9%、国際線が好調で過去最高の売上高を記録したものの、上期は減益で着地、燃料費、人件費などコスト増に加え、地政学リスクの高まりなどが意識された。先週の値下がり銘柄(対象:TOPIX500)8位・DMG森精機、7位・ホンダ、4位・太陽誘電が中国事業を中心に今季見通しを下方修正。9位:ヤマハや育児用品の6位:ピジョンも中国向け事業が足かせとなり大幅安。下落率1位・KADOKAWAについて岩井コスモ証券・林卓郎さんは「アニメ、ゲーム分野でのコスト増で通期予想を下方修正。サイバー攻撃の悪影響が一巡しつつある一方でフリーライターなどへの原稿料支払いを巡り不当に報酬を引き下げたとして当局より勧告を受ける見通しと報じられネガティブ視された」などと述べた。先週の値上がり銘柄(対象:TOPIX500)10位・サンリオ、はインバウンドをふくめテーマパークや店舗への来客数が大幅に増加。キャラクタービジネスを支えに今季、2度目の上方修正を発表。大幅高で上場来高値を更新。値上がり銘柄1位・古河電気工業について岩井コスモ証券・林卓郎さんは「データセンター・再生可能エネルギー向けの強い需要を取り込んで今期の営業利益を従来予想に比べ5割以上上方修正。大幅増配も発表したことが好感された。主力の自動車向けでも生産性向上。発表翌日はストップ高比例配分となり約6年ぶりに高値をつけた」などと述べた。今週の日本株について林卓郎さんは「日本企業の決算発表は製造業の一部で業績懸念を引きずるケースが少なくなかったものの円安基調や米中景気を支えに先行きへの回復期待は保たれたと考える。今週の7−9月期GDPなど主要な経済指標発表で国内景気の持ち直しを確認できれば4万円再トライの可能性もありそう」とコメント。