ニュースウオッチ9 (ニュース)
高市首相は来年4月から2年間、食料品消費税率を1%に引き下げ、中低所得者への給付を行い実質ゼロとする方針を表明。財源については「赤字国債に頼らず確保する」としている。さらに、「所得に連動したきめ細かな給付」を2029年度本格導入までのつなぎとして食料品の消費税減税を行う考えで、来月上旬までに党内の意見集約を図るよう指示した。一方、自民党内からは異論も出ている。
永田町では税は政権運営の鬼門とも言われてきた。1989年、税率3%の消費税を初めて導入した竹下内閣。ただ、この2か月後にリクルート事件で政治不信が高まる中で総辞職。その後、税率を5%に引き上げた橋本内閣は参院選で敗北し退陣。10%に引き上げる「社会保障と税の一帯改革」を推進した野田内閣は衆院選で大敗し政権交代する結果となった。
高市首相が示した減税の方針について野党からは批判が出ている。給付を優先すべきとしてきた国民民主党・玉木代表は「懸念に応える具体策が示されていない。給付付き税額控除の対象にならない中高所得者は明らかに負担増になる」と懸念を示した。
食料品の消費税減税についてまちの人の声を聞くと、「正直ありがたい」などの声もあったが、減税への懸念も聞かれた。都内の商店街で取材すると営業形態によって受け止め方に違いがあった。テイクアウトの食品のみを扱う店では期待の声が聞かれたが、店内で飲食できる店では外食控えへの懸念が。外食にかかる消費税率10%は今回の減税対象とならないため、減税される食料品と比べると差は9%となる。小売の現場からも商品値札を作り変えるなどの作業負担を懸念する声が聞かれた。
消費税減税にあたって大きな課題となる財源。高市首相が表明した食料品の消費税の実質ゼロは、食料品の消費税率を1%としたうえで、その1%分について中低所得者に給付を行うというものだが、実施には年間約5兆円の財源が必要とされる。財源については「赤字国債には頼らない」としたうえで、今後の予算編成のプロセスの中でけ税収動向の見極めや補助金見直しなどで検討する考え。一方で、国の税制状況に対して懸念する見方もある。債権市場では国債を売る動きが強まり、10年もの国債の利回りが一時29年8か月ぶりの高水準となった。自民党は来週中にも方針を閣議決定したい考えで、そのうえで臨時国会に法案を提出するスケジュールを描いている。
