家、ついて行ってイイですか? 流した涙を糧に生きる男と女SP
経堂駅前で出会ったかいさん(28歳・女性)の家について行った。家が近いためコンビニ代(542円)をお支払い。昭和歌謡バー、ラーメン店、ガソリンスタンドのバイトを3つ掛け持ちしている。両親と同居。両親に電話で確認すると玄関がある地下だけ撮影OKだった。玄関前にはかいさんが作った彫刻があった。美術大学で彫刻を専攻していたという。帰宅すると父・ヒデキチさん(62歳)が出迎えてくれた。室内は土足OK。家は自由に設計できるコーポラティブハウス。築18年の2LDK。モデルルームを造らないから安くなる。入居する17世帯が話し合いながら建設されたという。壁は家族みんなで塗った。天井はレインボーな配管が丸出しだった。トイレには書棚があり、母・ゆかりさん(61歳)が好きな竹久夢二の本やペッツの容器が並んでいた。地下だけという話だったが、1Fへ上がらせてもらった。16帖のLDKにはモノが溢れていた。かいさんはおじいちゃん好きで、おじいちゃんの彫刻が大量にあった。父によると、携帯電話には知らないおじいちゃんの写真が大量にあるという。おじいちゃんの顔の彫刻が入った卵パックを見せてくれた。シワが魅力的で作るのが楽しいという。小学生の頃の自由研究もおじいちゃんだった。父は墨絵作家。雑誌や久保田利伸ファンクラブ会報誌の表紙などを手掛けている。羽田空港の東京オリンピック看板も担当。作品は個展で販売。価格は1枚10万円。広告代理店を通じて薩摩酒造のパッケージデザインなどイラストレーターとしても活躍。かいさんは我が道を行こうと父を意識しないようにしていたが、父が心臓弁膜症で倒れた後、復活した時のライブペイントで改めて凄さに気付かされたという。