つなぐ、つながるSP 科学が変えた戦争 1945→2024
静岡県沖の水深約36mの海岸に眠っているのは、水中特攻兵器「海龍」。全長約17mで魚雷2本を搭載した2人乗りの潜水艇。艇首に600kgの爆薬を積み、敵艦に体当たりするもの。太平洋戦争末期に始まった作戦は「特攻」。多くの若者が尊い命を散らす中、海龍が生まれた。考案したのは科学技術者の浅野卯一郎海軍中佐だった。海龍はわずか5秒で海に潜ることができた。開発は極秘に進められてきた。佐藤守良さんは当時、海軍省特兵部で、海龍に関する極秘文書を目にした。海龍は終戦の約4ヵ月で224隻が完成したが、出撃せずに終戦を迎えた。