news every. (ニュース)
「ふるさと納税」で今年は何を申し込みたいか聞いた。締め切りの年末に向け、10月から申し込みが増え始める。返礼品といえば、ブランド牛や海鮮など高級グルメのイメージが強いが、長引く物価高を受け、今年は日常使いの返礼品に人気が集中。未経験者の女性はふるさと納税で節約することを考えていた。ある仲介サイトの調査では「お礼品選びに物価上昇の影響があった」と答えた寄付者は4割以上にのぼる。
返礼品ランキングにも変化が出ている。今年はトップ10に初めて日用品がランクイン。お肉は高級なステーキだけでなく、こま切れ肉や切り落とし肉といった日常使いのものが人気。中には申し込み数が約50倍に増えたものもある。一時品薄となった「お米」は約2倍に増えた。高騰した「オリーブオイル」は1.8倍以上に増加。
物価高を受け、主力の返礼品をお手頃価格のものに変えたところ寄付額が急増した自治体もある。神奈川県横須賀市は冬になると「のり」の生産が盛んになる。これまでふるさと納税では贈答用として1箱1万5000円を超えるような高級のりだけを扱っていたが、去年から3000円程度のお手頃な価格帯も展開。「高級のり」だけの時と比べ、寄付額が20倍以上に急増し税収がアップ。
東京・千代田区は来月からふるさと納税を始める。他の自治体に寄付する区民が増えたことで、1年間あたり約19億7900万円の税収が流出。19億の税金は例えると千代田区立11校の学校給食の無償化にかかる3年間分に相当する費用。来月からふるさと納税を始め、返礼品は区内の飲食店や宿泊施設で使えるクーポン券などを検討している。