25%追加関税で日本企業の収益 最大1兆7500億円の試算も

2025年3月28日放送 5:02 - 5:08 NHK総合
NHKニュース おはよう日本 (ニュース)

アメリカのトランプ大統領が、自動車などに25%の追加関税を課すと正式に表明。追加関税の発動は1週間後の来月3日。日本企業の収益が最大で1兆7500億円減少するという試算も出ている。来月3日の午前0時過ぎに発動する追加関税。日本を含むすべての国からの輸入車が対象となる。さらにエンジンなどの主要な部品にも5月3日までに25%の追加関税を課す。ホワイトハウスの高官は、今回の措置で年間1000億ドル以上の関税収入が得られるとしている。アメリカ・トランプ大統領は「アメリカでつくれば関税はない」とコメント。トランプ政権が打ち出す一連の関税措置の中で、日本への影響が最も懸念されているのが自動車。日本からアメリカに輸出される品目の中で金額が最も大きく、去年1年間では6兆円余りと全体の30%近くを占めている。関税が上がるとどうなるのか。アメリカでの販売価格に追加関税分をそのまま上乗せする形で値上げをすると販売台数の落ち込みにつながりかねない。このためメーカー各社の中には調達や生産コストの削減に取り組むケースも考えられるが、その場合部品メーカーを含めて利益の圧迫につながらないかという懸念も出ている。トヨタ自動車は直ちに現地での販売価格を値上げすることはせず、当面は原価の低減に取り組みたいという考えを示している。またホンダはアメリカで増産するかどうかなどを検討している。
アメリカに建設現場用の特殊車両を輸出している建設機械メーカー。今回の関税措置の対象に自社の製品が対象に含まれていないか、けさから情報収集にあたっている。この会社ではアメリカで販売している主力製品の80%ほどを日本から輸出。仮に関税措置の対象だった場合は大きな影響が出るおそれがあり、アメリカにある工場に投資をして生産能力を拡大することも検討している。建設機械メーカー・諸岡正美会長は「アメリカにいろんな投資をして生産量を上げていくこともこれから考える」と話した。自動車に使われる部品などすそ野が広い自動車産業。専門家は、日本のGDPが0.3%押し下げられると試算している。JETROアジア経済研究所・磯野生茂副主任研究員は「自動車産業のみならずほかの製造業にもマイナスの影響が出る」と話す。また自動車以外の産業も含めて日本企業の収益が最大で1兆7500億円減少するとの試算も出ている。石破首相は「適切な対応を考えていかなければならない。あらゆる選択肢が当然検討の対象となる」とコメント。その上で対抗措置を取る可能性を問われると、選択肢の中にあるというのはそういうことだとしている。また、日本を対象から除外するよう交渉を継続するとしている。ただトランプ大統領は、この措置はアメリカ国内の自動車産業を守るためで恒久的だとの認識を示している。専門家はアメリカ経済への影響について、この措置の効果だけを抜き出して見れば自動車の現地生産が拡大するなどプラスに働くとする一方で、一連の関税措置の影響全体を見るとマイナスになる可能性があるとしている。JETROアジア経済研究所・磯野生茂副主任研究員は「輸入品の価格が非常に上がるので米国の消費者がまずマイナスの影響を受ける」としている。


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