JR東日本 全面的な運賃値上げの背景は

2024年12月6日放送 21:29 - 21:35 NHK総合
ニュースウオッチ9 (ニュース)

1987年、国鉄から分割民営化されたJR東日本。3%の消費税が導入された1989年に最初の運賃改定を実施。その後、主に税率が上がるタイミングで運賃を引き上げてきた。山手線など収益性の高い、いわゆるドル箱路線を抱え、2010年代には過去最高益に。しかし新型コロナが収益を圧迫。落ち込んだ利用者の回復が遅れ、昨年度の運輸事業の売り上げは、コロナ禍前と比べ9割ほどにとどまっている。こうした中、ホームドアの設置や駅のバリアフリー化、耐震補強などサービスを維持していくために運賃の値上げは必須だとしている。会見でJR東日本・渡利千春副社長は「物価高や人材確保と言った経営環境の変化に対応し、今後も鉄道事業を持続可能な形で運営していく」と述べた。
今回の値上げ、実は国の基準が27年ぶりに見直されたことが大きなきっかけとなった。鉄道の運賃は、国の運輸審議会で審査する「認可制」となっていて、運賃の上限は、経費などの原価に一定の利益を加えた「総支出」を超えない範囲で設定することが求められる。国はこの計算の基準をことし4月に見直し、設備投資の費用や人件費などをより弾力的に原価に盛り込めるようにした。その後、JR北海道やJR九州も値上げを申請し、すでに認可されている。


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