ニュースウオッチ9 (ニュース)
日本製鉄に対抗し、USスチールの買収に意欲を示す米国の大手鉄鋼メーカー・クリーブランドクリフス・ゴンカルベスCEOが「日本は邪悪、中国より悪い」と発言。これに対し、日本製鉄は「偏った固定観念に固執している」と反論。ゴンカルベスCEOが記者会見で目立ったのは、激しい日本批判だった。クリーブランドクリフスは当初、USスチールの買収を計画していたが、最終的に日本製鉄に競り負けた経緯がある。しかし日本製鉄による買収計画については、今月3日、米国・バイデン大統領が国家安全保障上の懸念を理由に、禁止命令を出した。禁止命令では、来月までを期限に、買収計画を放棄する手続きを取るよう求めていたが、日本製鉄とUSスチールは、米国政府の委員会が6月まで延長することを認めたと明らかにしている。両社は政治的介入があったとして、バイデン大統領などを相手取り、命令の無効と審査のやり直しを求める訴えを起こしているほか、今回、会見をしたゴンカルベスCEOと、USW(全米鉄鋼労働組合)・マッコール会長に対しても、買収を阻止してUSスチールの競争力を低下させようとしたなどとして、訴えを起こしている。
1時間以上に及んだ会見で、クリーブランドクリフス・ゴンカルベスCEOは、「米国企業による買収が望ましい」と強調し、「我々の地を吸うな。もうたくさんだ。米国ファースト、国家安全保障が必要だ」と述べた。会見を受けて、日本製鉄は声明を発表「当社がUSスチールを守り、高炉の稼働を継続させ、雇用を維持し、グローバルな競争力をもたらす技術と投資を提供できる唯一のパートナーだ」として反論。買収に向けてあらゆる手段を講じる姿勢を示している。