2024年5月7日放送 0:35 - 1:20 NHK総合

アニマルドック
ペンギン「かわいい」は進化の証し

出演者
土屋礼央 岡田結実 村山輝星 桝太一 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

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ペンギン
謎多きペンギンの体を徹底解剖!
ペンギンは危険な生き物!?

今回調査する動物はペンギン。地球上にペンギンは全部で18種類。大きさも見た目も違う。地球上で一番小さいペンギンはコガタペンギンで体長約35cm。一番大きい種がコウテイペンギンで体長約120cm。ペンギンは必ずしも南極の氷の上にいるわけではない。氷も雪もない森にすんでいるフィヨルドランドペンギンや岩場や草原にすむマゼランペンギンがいる。ペンギンは実は意外と危険な生き物かもしれないという。それを調べに長崎ペンギン水族館へ。全18種類のうち半分を飼育しペンギンの飼育種類数世界一。この水族館で一番大きな種はキングペンギン。南極に近い亜南極で暮らしているため室温は10℃前後に保たれている。大切なのは健康管理。体重測定をしようとすると強烈な翼の乱れ打ち。これが危険な理由なんだそう。飼育員の大久保さんは「かなり痛いですね。アザができそうなくらい」と話した。翼はペンギンの場合はフリッパーと呼ばれている。フリッパーの強さを機械で測ると20kg重を超えた。ウミネコの骨格を見ると翼は骨の関節が動く構造になっていて隙間があり体が軽くなる仕組みをしているが、ペンギンは関節が癒合し1枚の板のようになっている。ペンギンの全身をCTスキャンで見るとフリッパーの骨は中がぎっしり詰まっていて空洞がない。ハヤブサの翼の骨は空洞があり空を飛ぶのに適している。つまりフリッパーの威力の秘密は板状で中身の詰まった頑丈な骨にあったのだ。ペンギン会議の上田一生さんによると空気より水中のほうが抵抗は約12倍大きいため骨は重くて頑丈なものが必要なのだという。もう1つの強さの秘密がお腹側にある重くて大きな骨・竜骨突起。両側はフリッパーを動かすための大胸筋に支えられ素早く泳ぐことができる。幅6mの水槽でジェンツーペンギンの速さを測ると1.97秒で時速にすると11km。野生では時速36kmという報告も。フリッパーと発達した大胸筋がペンギンの進化の証し。フリッパーはボートのオールのようなもの。ヒトの骨格をペンギンと同じようにたとえたものをイラスト化した。20km重のフリッパーの威力を体験した。竹刀や木刀で叩いたような痛さだという。フリッパーは仲間同士のケンカや身を守るときなどにも使用。

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人間の骨は約206本でペンギンは112本。ペンギンは体の中に足の骨が入っている。大腿骨という人間でいう太ももの骨がペンギンは横になっていてひざがありその下にまっすぐにすねの骨があり地面についている部分は指の骨。ペンギンは全体重を3本の指で支えている。ペンギン歩きに実際にやってみた。まず顔を上げて前を向く。胸を張って手を体の横に。かかとを上げた状態で歩くとペンギン歩き。ペンギンは一生の7割を海で過ごす。全身が水中生活になれるために流線形になっている。邪魔になる足は一番体から遠いところに進化した。この試練に耐えられない種類は絶滅していった。

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きらりの自由研究 なぜペンギンは泳ぐようになった?

6600万年前、恐竜が地球を支配していた。隕石の衝突で恐竜が絶滅すると海では大型のは虫類がいなくなり獲物だった魚などが増えた。その魚を狙って生き残った一部の鳥たちが海に潜るようになった。ウミガラスのような鳥だったと考えられている。6200万年前、最初のペンギンといわれているワイマヌが登場。体長1mで空を飛ぶ鳥のように翼をたためた。その後絶滅したが他の種が生き残り長い年月をかけて今のペンギンになった。

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ペンギンの体が重いワケ

一番大きい種のコウテイペンギンの体長は120cmで人間でいうと小学校2年生くらいの平均身長。一番重くなると体重約45kg。CTスキャンで見るとおなかは脂肪のかたまり。鳥の体脂肪率は約5%だがペンギンは最大50%。寒い陸上でも冷たい海中でも常に安定して動き回ることができるエネルギーを生み出すために脂肪を蓄えていく必要がある。ジェンツーペンギンにカメラを装着し食べっぷりを調査。これだけ大食いなのは水族館がたくさんエサをくれるから?そこで南極でバイオロギングという方法で撮影されたアデリーペンギンの狩りの様子を見るとオキアミや魚を水中で丸飲みし野生でも食欲旺盛だった。トゲ状の突起で飲み込んだ魚を逃さない仕組み。体重約5kgのジェンツーペンギンは1匹約25gの真アジを19匹(計475g)食べた。1食で体重の1割弱をペロリなので体重72kgの土屋さんなら1食で7kg(280匹分)。寒い地域で生きるのに必要な大量の脂肪もペンギンの進化の証し。人間は水中メガネをしないと焦点が合わないがペンギンは目に自動調整機能がついていてピントが合う。コウテイペンギンがぽっちゃり体型なのはもうひとつの秘密がある。メスが卵を産むとオスはそれを受け取って約3か月間絶食して温める。その間体重は半分になり20kgを割ることも。

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上田さんに聞くペンギンの質問コーナー

ペンギンの赤ちゃんがふわふわなのはなんで?卵からかえったヒナは海に出る必要がないので羽毛は保温のためだけの機能があればいいのでふわふわした羽毛。成長すると防水性のある羽毛に生え変わっていく。1年に1回2週間ぐらい陸上で絶食をして全身の羽毛を生え変わらせる。頭の飾り羽も生え変わる。足は寒くないの?雪や氷の上にいるコウテイペンギンやアデリーペンギンは霜焼けや凍傷にならない。血管が収縮して血液が行き渡らなくなった部分の細胞が壊死するがペンギンの場合はつま先まで血液が循環する特別な仕組みがある。ワンダーネットという動脈と静脈が足の途中から絡み合うような状態になっていて動脈と静脈の間で熱交換が行われているので血液の流れが止まることはない。ペンギンの潜水時間ってどのくらい?水に潜る鳥の潜水時間を比べるとウミウ(オス)2分24秒などだがコウテイペンギンは27分36秒。ペンギンは肺呼吸なので息を止めて潜り苦しくなったら水面に出る。空気をためる5種類の気嚢がある。そのうち2つが特に発達したくさんの空気をためられるのでエアタンクが5つあるようなもの。一番深くまで潜った記録はなんと564m。深海の大きな魚やイカを食べている。頭を振って体の表面にある水を払うかわいい動きは実は魚といっしょに飲み込んで体の中にたまった塩分を外に出している。両目の上にある塩涙腺から鼻で排出する。海で獲物を追い続けた結果発達した気嚢や塩涙腺は進化の証し。気嚢はすべての鳥類にあり上空は酸素濃度が薄いので気嚢に蓄えた空気で酸素を摂取する。もうひとつの秘密が心拍数。人間の場合激しく動くと心拍数は増えるがペンギンが長時間潜水したあとの心拍数は6回。心拍数を極力落として必要な部位だけ血液を送り込んでいる。ペンギンが水圧にどうやって耐えているかはまだ解明されていない。この謎が解けたら海難事故の救助のための新しい技術が見つかるかもしれない。

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(エンディング)
エンディング

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