- 出演者
- 土屋礼央 岡田結実 村山輝星 桝太一
オープニング映像。
鹿児島市平川動物公園は日本で初めてコアラを受け入れた動物園のひとつ。現在飼育しているコアラは国内最多19匹。コアラの指先には長くて鋭い爪があり、木にしがみつくときスパイクの役割をする。スローな動きの印象だが、ジャンプしたり走ることも多い。木の上で暮らすコアラとよく似た動物がサル。前足と後ろ足が互い違いに動くという共通点がある。指の間が開いていて、親指と他の指が向き合っているので幹や枝をガッチリつかむことができる。枝を掴むのに適した指紋もある。霊長類以外で独自の指紋や掌紋を持っているのはコアラぐらい。樹上生活に適応した進化の証だ。
コアラはほお袋がある。これはニホンザルと同じ特徴だ。場所が違っても同じ木の上で進化したことで似たような特徴を偶然進化させた。種も生息地もまったく違うのに同じ環境に定期王した結果、似た体の特徴を持つことを収れん進化という。タイリクモモンガはげっ歯類で、フクロモモンガは有袋類。ズワイガニはカニの仲間で、タラバガニはヤドカリの仲間。
コアラはユーカリをめぐって縄張り争いをする。コアラは新鮮で好みのユーカリしか食べないので、匂いでそれを判別している。動物園の日当たりの良い斜面にはユーカリ畑がある。ユーカリは700種類以上あるが、コアラが食べるのは数十種。コアラの好みに合わせ園内で7種のユーカリを栽培している。かたい根本の葉はあまり食べないという。ユーカリ専用の冷蔵庫に約1週間分をストックしている。体調や気分で食べる葉が変わるため、必ずいくつかの種類を与えているという。ユーカリの葉には毒があり、匂いで毒素の少ない葉を識別している。コアラは肝臓の酵素や腸内細菌でユーカリの毒を解毒している。コアラの盲腸は約2mあり、盲腸にいるおびただしい数の腸内細菌で毒素を分解している。解毒に多くのエネルギーが必要なため、コアラは1日のうち20時間は寝ていたりうずくまっている。
スタジオにユーカリを用意した。ユーカリはいろんな匂い物質がたくさん含まれていて、葉によって匂い物質の比率が違う。コアラはそれを敏感に識別している。コアラは味覚も発達していて、食べ物の中の毒を苦みとして感じることができる。
コアラの体重測定を紹介。木にしがみつかせた状態で測定し、ストレスを与えないようにしている。子どものコアラはぬいぐるみを抱かせて器に入れて測定する。
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コアラは汗をかかないのでオーストラリアの暑い夏は大変。木に抱きついて体の熱を木に移して体温を下げている。コアラはメスが拒絶することによってオス同士に競争が発生し、メスはより強いオスと結ばれる。コアラは後尾をすることで排卵が起こり、妊娠の成功率が高まる。
生まれた直後のコアラの赤ちゃんは直径2cmの1円玉よりも小さく、体重は0.3g。胎盤が未発達のコアラは子宮内で与えられる栄養に限りがあるので、妊娠期間は約35日。出産した子どもはお腹の袋の中で育つ。生まれた直後の赤ちゃんは袋を目指してよじ登らなければいけない。半年間、袋の中でお乳を飲み約400gまで成長する。有袋類特有の全恥骨が支えになり、赤ちゃんが成長しても袋が垂れ下がらない。子どものコアラはユーカリを消化するための腸内細菌をお母さんから引き継ぐために、お母さんの盲腸便を食べる。
コアラの盲腸便が出るのは離乳のときだけ。子どものコアラは受け継いだ腸内細菌が消化・解毒できるユーカリを食べるので、子どもの好みは母親と似る。有胎盤類は約6000種いるが、有袋類は約350種しかいない。生存効率が違い、北半球をメインに有胎盤類が広まった。
エンディング映像。
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