2025年10月6日放送 10:05 - 10:55 NHK総合

キャッチ!世界のトップニュース
豪・レアアース戦略 中国依存の脱却へ

出演者
横川浩士 川口由梨香 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像が流れ、キャスターが挨拶した。

(ニュース)
合意には 隔たり依然大きいまま

パレスチナのガザ地区の停戦に向けて事態は動くのか。イスラム組織ハマスがパレスチナのガザ地区で拘束しているイスラエルの人質の解放などに同意したことを受け、仲介国のエジプトは「双方の代表団がエジプトで6日間接的な協議を行う」と発表した。解放の手順やイスラエル軍の撤退範囲などについて話し合われる見通しで、合意に繋げられるかが焦点。ハマスによるイスラエルでの大虐殺から2年になる。残りの人質に解放とガザ地区での戦争の終結に向けた希望の兆しが見えているが、合意に至るまでの隔たりは依然として大きいまま。イスラエルの人々は平和のための集会を開いた。トランプ大統領が提案した20項目の停戦計画にハマスが原則合意。トランプ大統領と世界の首脳は、この進捗に前向きな反応を示している。イスラエルのネタニヤフ首相は「我々はとても大きな成果を得る目前だ」と語った。トランプ大統領の20項目の計画は戦争の即時終結を求めており、まずはすべての人質の72時間以内の解放を求めている。計画はイスラエルにガザから段階的に撤退し、ガザの行政権をアラブ諸国の支援を得た国際機関に引き渡すことも求めている。合意後はガザへの人道支援が大幅に強化される。(アメリカABC)

トランプ大統領の要求にも関わらず、イスラエル軍の攻撃は4日夜も続いた。ハマスはトランプ大統領が要求する武装解除にまだ合意していない。まだ道のりは長い。交渉担当者は詳細を詰めるために、6日にエジプトで会う予定。この破壊的な紛争の終結への希望は、2つのこととにかかっている。ひとつ目は、双方が妥協するかどうか。そして、局面を大きく変えたトランプ大統領が最後まで諦めずに力づくで喧嘩をやめさせてゴールラインまで持っていけるかどうか。ルビオ国務長官は「まだやるべきことがある。第1段階はハマスが合意した大統領の人質解放の枠組み。誰が人質の引き取りに来るのか、交換のプロセスをどうするのかを迅速に決める必要がある。第2段階はイスラエルが黄色い線まで撤退した後にどうなるか。国際機関がどのようにパレスチナの官僚主導の統治の構造を作るのか。その部分のほうが交渉がやや難しいが、私達はその2つの段階に注力している。」などと話した。(アメリカABC)

詳しく イスラエルとハマス 停戦協議の行方は

6日、イスラエルとイスラム組織ハマスの間でガザ地区の停戦に向けた協議が、仲介国のエジプトで行われる。アメリカのトランプ大統領が示したガザ地区での停戦などを含む20項目の計画をめぐり、ハマスが人質全員の解放に同意する考えを示したことを受けて実施されるもの。協議には、ハマス側はイスラエル軍がカタールの首都ドーハで行った攻撃の際に標的としたハイヤ氏が代表団を率いる。イスラエル側からは、ネタニヤフ首相の側近の閣僚が出席すると伝えられている。アメリカからはウィトコフ中東担当特使とトランプ大統領の娘婿のクシュナー氏が、仲介国のカタールからはムハンマド首相兼外相が同席する予定。アメリカ、エジプト、カタールの外交官が両者の間を行き来する形で協議が進められることになる。

協議では人質の解放やイスラエル軍の撤退について、詳細な議論が行われるとみられている。協議がまとまるかどうかは引き続き難航が見込まれている。トランプ大統領が示した計画について、ハマスは一部には同意する考えを示しているが、一部には明確な考えを示していない。すべての人質を解放すること、ガザ地区の統治について“独立したパレスチナ人委員会”に移譲することには同意している。しかしハマスが武装解除しガザ地区の統治には関わらない、という点についてはハマスは要求に応じるか明らかにしていない。アメリカのルビオ長官はアメリカのABCテレビのインタビューで「第1段階は人質が解放されイスラエル軍が一定のラインまで撤退すること、第2段階はその後のガザ地区の統治のあり方になどついてだ。」としている。2つのプロセスは同時に議論される可能性もあるとした上で、人質の解放を最優先する考えを強調。「ガザ地区の永続的な平和を望むならハマスの武装解除は譲れない」との考えを示している。

ロイター通信は当局者の話として、“包括的な合意を得ることが焦点となる”という見通しを紹介している。トランプ大統領は先ほどSNSに「第1段階は今週中に完了する見込みだという報告を受けた」と投稿し、協議の進展に期待感を示した。ガザ地区での戦闘が始まってから間もなく2年を迎える中、今度こそ協議がまとまりガザ地区の人道状況が改善に向かうのか、重要な局面を迎えている。

アサド政権崩壊後初の議会選

中東シリアで議会選挙が行われた。親子2代に渡って半世紀以上続いた独裁的なアサド政権が去年12月に崩壊して以降、初めての選挙。反政府勢力の指導者だったシャラア暫定大統領が進める新たな国づくりにとって重要な選挙だが、選挙の方法をめぐり反発も出ている。委員会から指名された6000人の選挙人が議員の3分の2を選出し、3分の1は暫定大統領が決める。クルド人地域では選挙は行われなかった。シャラー暫定大統領は「われわれはこの選挙に不備があることを知っているが、暫定的な立場にある。クルド人部隊がが支配するシリア北東部は選挙から除外されている。」と述べた。すべてはアサド政権のときと同じことの繰り返し。中央集権主義でひとりの男が権力を握っている。アレッポの候補者は「必要なのは政治的な多数決主義。すべての民族が同じ条件で参加できるようにしなければならない。」と述べた。次の数ヶ月で、新しく選出された人々が暫定大統領に対しいかに民主的に批判ができるかが、試されることになる。(ドイツZDF)

ワンポイント アサド政権崩壊後 シリアで初の議会選挙

シリアで独裁的な政権が崩壊して以降、初めての議会選挙が行われた。その選挙の方法に反発もあるという。今回の選挙は210議席のうち3分の1にあたる70議席をシャラア暫定大統領が直接指名し、残りの議席は暫定政府が事前に選んだ選挙人どうしで決める間接選挙の仕組みが採用された。投票結果は6日に発表される見込み。今回の選挙について、ニューヨーク・タイムズが親子2代にわたって半世紀以上続いたアサド政権が終わり国が前進していることを示すという意味で歓迎する一方、国民が代表されておらず、シャラア暫定大統領が権力を強化するために利用しているのではないかという疑いの声が上がっていると指摘している。

ロシア 発電所などインフラ施設を標的

ウクライナ情勢。ロシア軍は5日朝にかけてミサイル53発と約500機の無人機でリビウ州などウクライナ西部を中心に大規模攻撃を行い、少なくとも5人が死亡した。また電力供給施設などインフラに被害が出た。ゼレンスキー大統領は「冬を前にした今、ロシアは発電所などを破壊しようと試みている」と非難。ウクライナ防空システムは468機を撃ち落とした。(ドイツZDF)。

チェコ議会選 ウクライナ支援反対の野党勝利

ウクライナを積極的に支援してきたチェコの議会選挙は、ウクライナ支援に反対する最大野党「ANO」が勝利した。「ANO」率いるバビシュ党首(71)はチェコのトランプとも呼ばれ、反移民などを掲げる極右政党と連立交渉に乗り出した。チャコはこれまで砲弾をウクライナに供与する取り組みを主導したほか、ウクライナから39万人あまりの難民を受け入れてきた。ウクライナ支援の先行きを懸念する声も出ている。(香港TVB)。

ジョージア 親ロシアの与党勝利に抗議デモ

旧ソビエトのジョージアで親欧米の野党がボイコットするなか統一地方選挙が行われ、ロシアに融和的な姿勢を示す与党が勝利を宣言した。首都トビリシなどでは大規模な抗議デモが行われ、治安部隊との衝突でけが人が出ている。ジョージアでは長年目指してきたEU(ヨーロッパ連合)への加盟に向けた取り組みを与党が中断すると発表し、野党との間で激しい対立が続いてきた。(香港TVB)。

ワールドEYES
コーナーオープニング

コーナーオープニング映像。

特集 中国依存脱却へ オーストラリア レアアース戦略

レアアース(希土類)は現代のEV(電気自動車)・スマートフォン・ロボット・戦闘機などの先端技術を使った産業に欠かせない原料で、「産業のビタミン」や「21世紀の石油」とも言われる。現在豊富な埋蔵量を持つ中国が採掘で6割、精錬で9割と圧倒的なシェアを占めサプライチェーンを支配している。各国はレアアース生産に向け、投資や技術開発に力を入れ始めている。中国依存からの脱却を目指すオーストラリアの取り組みを取材した(オーストラリアABC)。貴重な鉱物資源の採掘を行うイルカ社は1990年代からレアアースを含む砂山を作ってきた。最大約980億円の価値があるという。レアアースの加工には費用がかかり工程が複雑で環境を汚染する。中国の市場独占は世界の指導者たちの悩みの種。日本は西オーストラリア州でレアアースを生産するイルカ社へ約1620億円の出資を決めた。各国がサプライチェーンの多様化を模索している。大口資源の採掘などを行うワイルー社もレアアース産業への参入を計画しているが、約340億円の資金と市場の改革が必要だとしている。国際貿易の専門家・エディコスコーワン大学・ネイショ・マクドナー上級講師は「レアアースは国の安全保障に関わる」などと指摘する。

特集 レアアースの中国依存 脱却なるか

中国がレアアース市場を支配していることについて、オーストラリア政府も強い危機感を持っている。中国はレアアースは外交交渉の武器や切り札として利用していることが背景にある。中国は豊富な埋蔵量や高度な精錬技術を持ち、低コストなため圧倒的なシェアを誇る。トランプ関税を巡る米中交渉でも、中国がレアアースの輸出規制に踏み切ったことでアメリカの自動車業界などから悲鳴が上がり、その後中国が規制緩和する姿勢を示し当面の関税合意に至った。最近はアメリカ・カナダ・ブラジルなどの企業が巻き返しを図ろうと投資や技術開発に力を入れ、日本でもリサイクル技術の開発などが進められている。世界各国が対策を加速し、中国の交渉の武器としての効き目が減少していくのではとの指摘もある。

(ニュース)
キム総書記 兵器開発推進を強調

北朝鮮・金正恩総書記はICBM(大陸間弾道ミサイル)級のミサイルなどが並ぶ兵器の展示会で演説した。金総書記は「兵器開発を一層推進していく」と強調した。北朝鮮が戦略兵器を公開し強硬なメッセージを出すことでアメリカへの交渉力を高めようとしている。韓国大統領府は北朝鮮に対し「朝鮮半島はもちろん国際社会の平和や安定のため対話と協力にともに取り組んでいきたい」とするコメントを発表。(韓国KBS)。

オレゴン州兵の派遣差し止め

トランプ大統領は治安維持を理由にした州兵の新たな派遣を相次いで明らかにしている。このうち西部オレゴン州ポートランドについて、州連邦地裁はオレゴン州兵の派遣を差し止めたが、トランプ大統領は隣のカリフォルニア州の州兵を送ると決めた。カリフォルニア州知事は「絶句するような権力の乱用だ」と述べ公的手段に出る考えを示した。(アメリカABC)。

旅客機内の迷惑行為 許すな!

旅客機の中で起きる暴力や酔っ払いによる騒ぎなど乗客による迷惑行為をどう防ぐのか、ヨーロッパの航空会社が客室乗務員が乗客を拘束する訓練や、空港で提供する酒の量を制限することなどの対策を始めている。乗客による迷惑行為は安全な運航を妨げるだけでなく、場合によっては緊急着陸を余儀なくされるなど深刻な問題。この4年間でフランスにおける機内での迷惑行為は増加し、2024年には1781件のケースが報告されている。多くの場合原因となるのはタバコ・アルコール摂取、安全指示に従わないこと。(フランスF2)。

スイスの氷河 この1年間で3%消失

スイスの氷河がことし9月までの1年間に大幅に融け、氷河の総体積のうち3%が失われたとスイスの氷河モニタリングネットワークなどが報告書で明らかにした。国連の科学者たちは、気候変動が原因と指摘している。報告書は「温暖化が進めばスイスにある比較的小規模な氷河は無くなってしまうだろう」と示唆している。スイスの氷河は1950年から1980年代前半までほぼ変化のない状態だったが、それ以降でほぼ半分が失われた。氷河の融解は海面上昇を引き起こし世界中の何百万人もの人々の水の供給源を脅かす。炭素排出量を大幅に削減することで世界の氷河のかなりの部分を救うことができるという。(イギリスBBC)。

ビールの祭典 “リラックスした雰囲気”で閉幕

ドイツ南部の都市ミュンヘンで行われていたビールの祭り「オクトーバーフェスト」が終了した。開催中に爆破予告で閉鎖した日もあって入場者数650万人と去年より減少したが、伝統衣装を着た地元の人たちや海外からの観光客などがジョッキを高々と掲げて乾杯し、世界最大のビール祭りを楽しんでいた。

これまでの主なニュース

イスラム組織ハマスがイスラエルの人質の解放などに同意したことを受けて、仲介国のエジプトは双方の代表団がエジプトで6日に間接的な協議を行うと発表した。

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