2023年10月25日放送 19:30 - 19:57 NHK総合

クローズアップ現代
どうする隣の“遺品部屋” 費用負担は隣人が!?

出演者
桑子真帆 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

#4825 どうする隣の”遺品部屋” 費用負担は隣人が!?
趣旨説明

マンションなどの集合住宅で住居者が病院などで死亡した後、遺品が放置されるケースが増えている。子どもやきょうだいなどの相続する遺族がおらず、そのままになってしまう。今回、番組ではこうした部屋を”遺品部屋”と名付け、取材した。

隣人が費用を負担!? 全国に拡大”遺品部屋”

千葉県にあるマンションでは住民が支払う管理費が月3500円値上げされた。物価高が続く中、住民に戸惑いが広がっている。値上げの理由は約100万円の管理費を滞納した部屋があったこと。この部屋にはもともと高齢男性が住んでいたが、調べた結果、5年前に病院で亡くなっていたことが判明したのである。さらに、同じようなケースがもう一部屋。2つの遺品部屋合わせて管理費などの滞納は約300万円にのぼる。管理費の滞納をなぜ他の部屋の住民が負担しなければならないのか。それは死亡した人の相続人が滞納金を支払わないまま相続放棄をしたため。死亡した人の相続人を探すのにもお金がかかり、結局、管理費の滞納どころか調査のための弁護士費用までも追加の出費となってしまった。部屋を売却して費用を賄うにも、遺品部屋には大量の遺品があり部屋も傷んでいるため資産価値が大幅に下落。通常の10分の1ほどでしか売れないと判明した。

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千葉県
1億円超を自治体が… ”遺品部屋”が財政にも

遺品の処分費用が自治体の財政まで圧迫する事態になっている。大阪府の公営住宅では、住民が亡くなった後放置される部屋が増え、現在255部屋にのぼっている。部屋は自治体が所有しているが、遺品は相続人に所有権がある。相続人を探して連絡しても返答がなく、頓挫してしまうケースが多いという。遺品が放置されたままだと部屋を貸すこともできず、家賃も入らない。大阪府の損失は1億円以上にものぼっているという。こうした公営住宅の対応について、国は、6年前、自治体の判断で遺品を選別・移動してもよいという方針を示した。国の方針に沿って大阪府では遺品の選別を始めている。しかし、今度は、いつまで保管するかという新たな問題が。大阪府では20年保管することに決めた。これまでに遺品を取りに来たケースは1件もないという。

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大阪府
全国に拡大”遺品部屋” なぜ増加? 背景に何が

番組が官報を使って遺品部屋を調査した結果、全国には10052件の遺品部屋があり、10年で1.7倍となっていることが分かった。専門家によると、遺品部屋が増加している背景には高齢化・資産価値の下落・親戚関係の希薄化が挙げられるという。遺品部屋は東京都・大阪府・神奈川県と続いて多いが、リゾートマンションが多い湯沢町・熱海市・東伊豆町なども人口比で多くなっている。

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大阪府東京都東伊豆町(静岡)湯沢町(新潟)熱海市(静岡)神奈川県
どうする”遺品部屋” 拡大を防ぐ対策は?

住民にできる対策の1つ目は緊急連絡先の更新を続けること。遺品部屋による負担に頭を悩ませていた千葉のマンションでも進めている。住民にできる対策の2つ目は遺言書で備えること。頼れる親族がいない男性は自分の財産について親しい友人に贈ることなどを明記し遺言書として残している。不動産の価値を高めることで相続したくなる部屋にしようという取り組みも始まっている。

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千葉県湯沢町(新潟)

遺品部屋が発生した場合について、専門家は「できる限り速やかに弁護士や司法書士に依頼して対処するということが非常に重要」などと話した。

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マンション管理センター
(エンディング)
エンディング

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