- 出演者
- 北村花絵 石川ありす 川村妙慶
今回は僧侶・アナウンサーの川村妙慶。本日のテーマは「善人と悪人」。
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- 川村妙慶
今回は僧侶・アナウンサーの川村妙慶によるお話し。自身のブログでは日替わりの法話を25年以上毎日更新している。この日身につけている輪袈裟は母親が作ってくれた二十歳の成人式のときの帯をリメイクしたもの。
僧侶・アナウンサーの川村妙慶が「善人と悪人」とのテーマで講演を行った。人間というものは、相手の悪いところ、間違っているところについ目がいってしまう。なぜなら煩悩があるから。蓮如上人の言葉「人の悪き事はよく見ゆるなり わが身の悪き事は覚えざるものなり」をあげ、人の悪いところはよく見えるが、自分の悪いところにはなかなか気づかないという。また親鸞聖人の「酒はこれ忘憂の名あり」との言葉をあげ、善悪だけで決めつけないということを伝えている。ある日、真面目な子が、万引きをして警察に捕まった。その子と面会し話を聞くと、「いままで親の機嫌を取っていた」「それで親は満足そうでした」「僕は全然嬉しくなかった」と言った。彼がいかに我慢をしていたか、良い子を演じていたかが身につまされたという。つまり、行動には問題がないが動機は問題があった。本当は反発もしたいが「良い子でいたら周りから評価を得るから、得をするから」ということを押し付けられて、ずっと我慢をしていた。お伝えしたいのは、「自我の自立」をさせてあげること。自我の自立とは本当のことをしっかりと安心して話し合う関係を作ってほしいと述べた。
善人というのは一般から見ると「良いことをする優しい人」。しかし、仏様から見る善人というのは「私は正しい。私だけが頑張っているの?」と自分の思いだけを正そうとする人のことを言う。悪人というと「罪を犯してしまう人、マナーを守らない人」というイメージだが、仏様は「私の悪いところを素直に認められる人。そして、相手に迷惑をかけたのであればごめんなさいと謝れる人。自分の醜いところを認められる人」のことを悪人と言う。最後に吉野弘の詩「祝婚歌」から「正しいことを言うときは少しひかえめにするほうがいい」との一節を披露し、相手の気持ちに寄り添う関係でいてほしい。「善悪」で切り捨てるのではなく、「誰もが善人と悪人の要素があるんだよな」という気持ちで、どうか生きていってくださいと話した。
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- 吉野弘
善人と悪人について川村妙慶は立ち直ってもらうための愛情の教えだと思っていると話した。
次回の「テレビ寺子屋」の番組宣伝。
エンディング映像。