2025年4月13日放送 10:00 - 11:00 テレビ朝日

テレメンタリーPlus
「独白 ひきこもり40年、それから…」

出演者
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(オープニング)
オープニング

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今回

独白 ひきこもり40年、それから…

(テレメンタリーPlus)
独白 ひきこもり40年、それから…

山口県宇部市でひきこもりの支援を行っている山根俊恵さん。集まっているのはひきこもりの子を持つ親たちである。内閣府が15歳~64歳を対象に行った調査では146万人・50人に1人はひきこもりの状態であるという。山根さんはある男性のひきこもりの話を始めた。NPO法人「ふらっとコミュニティ」は精神科病院の元看護師で山口大学大学院教授の山根さんが精神障害者の支援施設として2005年に設立。2015年からひきこもりの支援も始めた。55歳のひきこもり・国近斉さんは子供の頃から人付き合いが苦手だったという。それでも中学校までは普通に学校に通っていた。入学したのは地元の進学高校であり、つまづきはここからだった。次第に不登校になり、高校を2年で中退。その後アルバイトをしても長続きしなかった。そして長い引きこもり生活の始まりとなる。

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ふらっとコミュニティ国近田鶴子宇部市(山口)

80代の親が50代のひきこもりの子の生活を支える8050問題。国近さんの自宅には8050問題の先の現実があった。両親と3人で暮らしていた国近さん。50歳の頃に80代の両親が相次いで亡くなって以来、両親の遺骨とともに暮らしている。そして親が遺した預貯金から月6万円を下ろして生活している。国民年金保険は全額免除の申請を続けていた。将来もらえる年金は満額納めた人の3分の1程度となる。1人になった国近さんは日々の出来事や心境をノートに綴るようになった。55歳の時、市の広報誌に載っていたひきこもり相談に目がとまりふらっとコミュニティとつながった。ふらっとコミュニティでは週に1度、ひきこもりの人を対象に勉強会を行っている。この日は怒りの感情について学んでいた。そして大学生とスポーツで交流となった。いきなり集団に入ってもプレッシャーを感じるが、スポーツやゲームを通じてだと抵抗なく入れるというのもあるからである。

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8050問題ふらっとコミュニティ

2019年、ふらっとコミュニティは利用者の増加に伴い広い建物に移転した。ひきこもり支援を始めて4年、就労・復職ができた人は25人となっている。国近さんがふらっとコミュニティに通い始めて2年となるが、就労への不安を話していた。そしてふらっとコミュニティの紹介でハウスクリーニングの仕事を始めることとなった。このとき57歳で高校を中退したあと少しアルバイトをやって以来、働くのは実に40年ぶりとなる。働き始めて3年が経ち、国近さんは仕事が休みの日にはふらっとコミュニティに顔を出すようにしている。

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ふらっとコミュニティ

国近さんは40年ぶりにスーツを着て、ひきこもり支援フォーラムへ向かい初めて人前で自身のひきこもり体験を話していた。

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山口大学山口大学市民公開講座 ひきこもり支援フォーラム

国近さんへかかった電話の相手は国近さんが住む市営アパートの担当者からだった。国近さんは父親が契約していた市営アパートに亡くなった後も住み続けていた。「公営住宅」への入居権は原則、親から子へ引き継ぐことができない。入居希望者の公平性をはかるものとして、国土交通省がガイドラインを示している。親が死亡した後も住み続けることができるのは60歳以上の人や障害者などに限られている。国近さんも49歳のとき、父親が死亡すると市営アパートからの立ち退きを迫られた。それ以来は不正入居の状態となり、家賃が2倍以上に引き上げられた。2022年に60歳になり入居が可能となったが、契約には連帯保証人が必要となってしまう。市営アパートの家賃は収入によって決まるため、入居者は毎年市に収入を申告しなければならない。しかし国近さんは死亡した弘さんが契約者になっているため、収入申告書を提出できずにいた。そのため市営アパート担当者に相談となったが、国近さんはうまく説明できていないようだったため相談する内容を整理してもう1度窓口へ向かうこととなった。連絡が取れる親戚がおらず、連帯保証人を頼める人がいないことや市営アパートを出ると他に住む場所がないことなどを伝えた。そして連帯保証人の免除が認められ、ようやく入居者となれた。家賃も正規の料金に戻り、およそ1万円下がっていた。代わりに身元引受人の届け出を求められ、身元引受人には死亡した後の手続きが求められることとなる。国近さんはまだ身元引受人を見つけられてはいなかった。

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国土交通省宇部市役所

国近さんはスーパーで食品などを買い、食パンや肉・魚が高くなったなど話していた。記録的な猛暑が続く夏の日には、一人暮らしの人が次々と亡くなってしまったことについても話していった。また国近さんがふらっとコミュニティに2024年3月に訪れたときは山根さんに仕事を辞めようと思ったが辞めるわけにもいかないなどということを話していた。そして国近さんはこれまで務めた会社を辞め、別の清掃会社で働き始めた。2024年7月には国近さんが花火を家の窓から眺めている様子が描かれた。2025年3月にはふらっとコミュニティの週に1度の勉強会が開かれていた。

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ふらっとコミュニティ

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