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オープニング映像。
2024年4月、奈良県立橿原考古学研究所附属博物館では巨大蛇行剣が展示され、多くの人々が訪れ、8日間で約1万6000人が来館した。巨大蛇行剣は公開に至るまでに約1年間かかっており、表面の土などを落としていく地道で繊細なクリーニング作業が施されている。そんな巨大蛇行剣の保存処理に密着取材し、刀剣の歴史などに迫っていく。
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- 奈良県立橿原考古学研究所附属博物館
巨大蛇行剣は2メートル37センチで1600年前に日本国内で作られたと見られ、古代東アジア最大の大きさで国宝級の発見だと注目を浴びた。2023年1月、発掘報告会見で発掘を担当した奈良市埋蔵文化財調査センターの村瀬陸主務は実物大のX線写真を用いて巨大蛇行剣を紹介した。巨大蛇行剣が見つかった富雄丸山古墳は1600年前の4世紀に築造され、巨大蛇行剣は当時の鉄器最高傑作といって過言ではないものだと岡林副所長は会見で明かした。会見では巨大蛇行剣とともに発見された鼉龍文盾形銅鏡が発掘時の状態で公開となった。2023年1月に富雄丸山古墳で現地説明会が執り行われた。出土品は一般的に博物館などで展示する際には保存処理が必要になり、1972年の高松塚古墳の発掘調査では保存処理がうまく行かず壁画にカビが発生して劣化してしまっている
巨大蛇行剣の保存処理は奈良県立橿原考古学研究所が協力し、巨大蛇行剣の保存処理が始まった。巨大蛇行剣の梱包を丁寧に解き、剣全体の姿が初めてメディアの目前に現れた。巨大蛇行剣は埋められた際に木製の鞘に収められていたなどと伝えた。3次元計測・顕微鏡観察が行われ、巨大蛇行剣の屈曲部分は6か所であることが判明した。2023年4月、巨大蛇行剣のクリーニング作業が開始された。クリーニング作業の途中で鞘であった木片が剣の表面にいくつも残っていることが明らかとなった。
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2023年1月、富雄丸山古墳を村瀬に案内され取材陣が見学した。富雄丸山古墳は直径109メートルで日本最大の円墳。4世紀から5世紀に作られた佐紀古墳群と同時期に近くに建築された富雄丸山古墳には当時のヤマト王権内の有力者が埋葬されたと見られている。岡林は約2.4メートルという長さには意味があり、巨大蛇行剣は1丈の剣を作ることを目指した一丈剣だと言えるなどと語った。巨大蛇行剣が製造された謎の4世紀は技術革新が進められていたことが明らかになった。2023年5月、巨大蛇行剣のクリーニング作業は柄部分に差し掛かっていた。柄には木製の部材が装着され漆が塗られていたなどと解説した。奥山は蛇行剣が歴史を解明する1つの鍵になるかもしれないなどと語った。
2023年8月、巨大蛇行剣は頑丈そうな木枠に囲まれ、奥山は表面をウレタンで包み、蛇行剣を反転させる準備を行った。翌日、奥山たちは巨大蛇行剣の反転作業を実行した。翌週、発掘を担当した村瀬が蛇行剣の裏側の土を少しずつ掘る作業を行った。蛇行剣は最大80センチ程度のものが国内で約80本発見されているなどと伝えた。2023年10月、奥山により巨大蛇行剣のクリーニング作業が始まった。柄縁突起は剣の特徴で、楔形柄頭は刀の特徴で巨大蛇行剣は双方の特徴を持ち合わせているなどと説明した。
この日、刀匠の河内が巨大蛇行剣を見学しに訪れた。数々の名刀を作り続けてきた刀匠の河内は自らの手で巨大蛇行剣を復元することを考えていて、素材を用意し、試作品も作っていた。河内は巨大蛇行剣には日本刀の源流があるはずなどと語った。
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2023年12月、巨大蛇行剣のクリーニング作業はクライマックスを迎え、奥山は鞘尻のクリーニング作業を開始した。岡林たちは巨大蛇行剣の鞘尻の先に石突のようなものがあることを発見した。2023年12月27日、奥山は巨大蛇行剣の末端である柄頭の側面のクリーニング作業を行い、全体の長さが285cmであることが明らかになった。保存科学の第一人者である今津学長は蛇行剣の発見は考古学の進化とも言えるなどと語った。
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巨大蛇行剣が発見された富雄丸山古墳の現場には建屋が設置され、警備員が24時間常駐し、厳戒態勢の中で昨年末から発掘調査が再開された。2024年3月、3枚の銅鏡が新たに発見され、保存処理が進められている。巨大蛇行剣はクリーニング作業により全容が明らかとなった。1年間巨大蛇行剣と向き合い続けた奥山は文化財という面で唯一無二の存在であったなどと語った。
エンディング映像。