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アメリカ・ロサンゼルスの球場そばの公園。そして大谷選手の故郷、岩手の公園。2か所で同時に撮影。スーパーヒーローに対する日米の人々の思いを見つめる。
アメリカ・ロサンゼルス、人口388万人。街の中心部には3日前まで夜間外出禁止令が出されていた。6月20日ロサンゼルス時間のお昼12時にエリシアンパークで撮影を開始。時差は16時間、6月21日、午前4時過ぎ大谷選手の故郷、岩手・奥州市の水沢公園でも撮影を開始。ロサンゼルスではしばらくすると、大きなカメラを持った男性がやって来た。男性はAP通信の59歳のカメラマンで混乱の残る町並みを取材中だという。次に、大谷選手のユニフォームを来た夫婦がやって来た。2人は試合を見に来るまで6時間かけてやって来たという。
岩手・奥州市、午前4時30分。89歳の男性がやって来た。男性は毎日、駒形神社に拝礼をして毎日通っているという。大谷について男性は「最近はホームランか三振かだもんね」などと話した。その少しあと、陸上トラックを歩く人達が現れた。男性は畑で取れた無臭ニンニクをお裾分けしてくれた。大谷について女性は「結婚した相手がいいなと思った」などと話した。
ロサンゼルスの撮影クルーは高台から移動。エリシアンパークの広さは水沢公園の約25倍。広場沿いを歩いていた男性2人。親子でジャイアンツ、フィリーズ、ドジャースなど5試合を観戦して回っているという。大谷がデッドボールを受け乱闘になりそうになったが、相手ベンチに大丈夫と伝え握手したことについて男性は「大谷は事を荒だてたりしない。謙虚。それがピッタリだ」などと話した。午後14時2分。ランチをしていた女性2人。野球に興味はないけど、大谷のことは少し知っていた。女性は「活躍していて誇りに思う。アジア人にとって決して簡単なことではない」などと話した。
岩手・奥州市。午前8時47分。公園のベンチに座っている夫婦。2人は保育園に通う孫の運動会を見に来たという。運動会の様子を少し離れたところから見ていた男性。3歳の孫のことを見ていたという。大谷について男性は「特別だからね。奥州市じゃなくて日本の宝ですから」などと話した。
アメリカ・ロサンゼルス、16時50分。ナイターの試合が近づき球場の周辺が混んできた。親子で来た家族。少年は大谷が大好きだという。アメリカで家族で野球観戦することが多い。車椅子に乗った女性は娘たちに連れられ日本から観戦しにきた。車椅子の女性は大谷選手の試合を毎日チェックしメモしていた。18時56分。スタッフは公園の高台へ戻ってきた。赤ちゃんを連れた女性は、リラックスできるからこの場所が大好きでドジャースタジアムの駐車場で働いているという。
岩手・奥州市。午後12時05分。野球のユニフォーム姿の少年が走っていた。球場に行くと中学生の練習試合が行われていた。岩手は野球が盛ん?と聞かれ息子の姿を見ていた男性は「子どもたちが少ない。大谷は高嶺の花すぎる。そこを目指そうとも思わないレベルにいる人たちなんで。現実は厳しいじゃないですか」などとは話した。大谷の田んぼアートを見に来た地元の女性たち。1人の女性は大谷について「手が届かない。翔ちゃんはみんなの翔ちゃん」などと話した。子どもと幼稚園が一緒だったという。駅前には5日前、大谷のマンホールが設置され人だかりができていた。
アメリカ・ロサンゼルス、20時28分。夜の公園は危険とのことで、スタッフは街へ。リトルトーキョーにあるスボーツバーを訪れた。ドジャースがリードしていてみんな上機嫌だった。大谷が打席に立つとショウヘイコールが響き渡った。ドジャースにはヒスパニック系のファンが多いという。大谷について男性は「日本人だけじゃなく、彼は私たち全員の象徴なんだ」などと話した。
岩手・奥州市。19時01分。高校生たちに出会った。大谷について高校生たちは「あんま話題にならない。50-50のときくらい」などと話した。高校生たちはきょう運動会でカッパのコスプレをしたという。その様子がNHKのニュースになったという。高校生たちは3年後、この街を出ていくという。20時40分。街の通りで撮影をしていると、男性に声をかけられた。男性はスナックで働いていて、本業はキックボクサー。高校の頃は野球をやっていたが、母親が大腸がんになり野球を辞め実家に帰ったという。
アメリカ・ロサンゼルス、朝5時。エリシアンパークのゲートが開いた。6時を過ぎると早朝ランニングをする人がちらほら。2人組を発見し声をかけた。2人は夫婦で、早朝散歩をしていた。男性はエルサルバドル出身で米国に来て50年以上になるという。長年続けた草刈りの仕事を辞めようやく落ち着けると思った矢先、緊張が高まる日々が続いているという。午前10時28分、広場でなにやら準備する人たちがいた。娘の6歳の誕生日だという。ピクニックをしていた団体。親戚一同が集まってのパーティー。そのあと全員でドジャース戦を観戦するという。55歳の女性は乳がんで化学療法を始めたばかりだという。大谷についてきくと「彼に奮い立たされています。1日1日頑張るだけです。生き続けてみます」などと話した。
岩手・奥州市の2日目。朝4時半、1日目に出会った89歳の男性がお参りにやって来た。男性は、自宅に誘ってくれた。男性は妻と2人暮らし、子どもたちは独立し孫もいるという。部屋には男性の書道の作品がたくさん飾ってあった。書道は長年勤めた銀行を定年したあとに見つけた大事な趣味だったが、手が震えてもう書けないという。9時53分、公園で少年が転んでいた。少年は補助輪を外しての自転車に挑戦していた。少し経つと少年は自転車に乗れるようになっていた。少年のお父さんの小さい頃の夢はサッカー選手だった。写真を撮っている女性たちを発見。彼女たちは介護施設で働くミャンマーからの技能実習生だった。
アメリカ・ロサンゼルス、エリシアンパーク付近では反トランプで団結をと書かれたプラカードを持っている人たちがたくさんいた。移民・関税執行局が取り締まらないように訴えているという。車のクラクションは賛同の合図だった。
岩手・奥州市、10時34分。大きな荷物の若者たちをみつけた。これからボクシングの大会があるということで、ついていくことに。体育館では高校生のボクシングの東北大会が開かれていた。緑のTシャツの男性が決勝にでるという。緑のTシャツの男性はレフェリーストップで負けてしまった。男性は「決勝まで出れたのは初めてだし、こんなにやりきれた試合も初めてだったので。負けて終わりじゃなくて負けてからどうするか先を考えてこれから、いろいろいかせる。自分の経験に繋げられると思う」などと話した。
アメリカ・ロサンゼルス。午後7時。きょうも試合はナイターとあってスポーツバーへ。経営コンサルタントの女性は大谷について「彼が素晴らしいのは異なる文化圏から来て選手としてだけではなく、彼自身として居場所を見つけたこと。とても難しいことだと思う」などと話した。苦労しながら道を切り開いてきた女性にとって大谷選手はロサンゼルスに来た頃の自分に重なるという。女性は「大谷はあまり注目されず評価されないコミュニティーのさまざまな境遇の子どもたちに、自分もきっとできると思わせてくれる」などと話した。
アメリカ・ロサンゼルス。こちらでは午後1時過ぎのプレーボール。試合が流れる店におじゃました。この日の先発は、大谷翔平だった。観戦に来た地元のカップルは「もっと見たいよ」などと話した。
アメリカ・ロサンゼルス、エリシアンパークの高台に、くつろぐ人たちがいた。チケットが高いからとここで試合の雰囲気を楽しんでいるという。試合が7回に入るころ、バーに男性が1人でやってきた。男性は小さい頃、恥ずかしがり屋で、大人しく孤立し、よくいじめられていた。長い間、生きる目標を見つけられずにいたけど15年ほど前にジョシュア・ツリー国立公園に行き、あまりにも美しさにこの地を守りたいと目標が出来た。今は水処理の環境研究をしている。大谷を見るたびに、男性は自分の目標を思い返しているという。
アメリカ・ロサンゼルス、朝8時。缶や瓶を拾って生計を立てている37歳の男性と出会った。男性は20年ほど薬物中毒だった。今は仕事を取り戻す目標があるという。
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- エリシアンパークロサンゼルス(アメリカ)
エンディング映像。