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オープニング映像。
茨城県常陸太田市の天下野町は山間に田園地帯が続くのどかな風景が広がっている。名所は袋田の滝。冬は凍りつき、この地域の厳しい寒さを物語る。その寒さを利用して作られるものは凍みこんにゃく。油揚げのようにみえるがこれはこんにゃくを乾燥させたもので代表的な料理はみしめ。12月には納屋から稲わらを出すのは農家の中嶋さん。稲わらを田んぼに運んで凍みこんにゃく作りの準備をする。稲刈りの時にとっておいた稲わらは厚めに敷く。こんにゃくは大きな塊を切っていき、厚さは普通のこんにゃくよりも薄く七ミリ。5万枚ほどのこんにゃくを何日もかけて作る。12月下旬には田んぼに敷いた稲わらが朝日に照らされて白く輝く。気温は氷点下になり、霜がおりると染みこんにゃく作りが行われる。家族総出で作り、近所の人も一緒に中嶋さんらが一枚一枚稲わらの上にしいていく。こんにゃくがかさばらないように丁寧に並べる必要がある。田んぼ一面に敷くのに一週間かかるという。こんにゃくが干からびないように常に水をかける。使うのは、清らかな地下水のみ。こんにゃくが長持ちするという。
田んぼの周りには溝が切られ、こんにゃくが水につからないようにする昔ながらの製法だという。流れた水は田んぼのあちこちに水たまりを作る。その中にはトンボの幼虫のヤゴがいて食べ物が少なく水が冷たいとじっとして動かないという。凍みこんにゃくを作るのに大切なのは、夜の寒さ。月がのぼり夜が更けると気温は下がる。水をかけたこんにゃくは凍っていく。凍ったこんにゃくは朝日があたるとゆっくり溶け始める。凍らせて溶かすを20日間繰り返して内側から少しずつ水分を抜いて完成させる。1月には強い風に飛ばされているのは乾燥したこんにゃく。こうして完成する。
垂氷は水がたれて凍ったつららのことで、軒先のつららが朝日に照らされて美しくなる。