2025年7月20日放送 14:00 - 14:10 NHK総合

ニッポンの里山 ふるさとの絶景に出会う旅
▽田んぼの水をつくるブナの森 長野飯山

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(オープニング)
オープニング

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田んぼの水をつくるブナの森 長野県 飯山市
長野県 飯山市

長野県の北部の飯山市には標高1000mの山々に囲まれた集落がある。山の麓に家が点在する照岡地区。人々は山の斜面に棚田を作って暮らしてきた。5月になると田植えが始まるが、標高の高い田んぼでの米作りは水源の確保が大変である。その水をもたらしているのが集落の裏に広がるブナの森でここには樹齢300年近い巨木もみられた。ブナの森は雨や土どけ水を地中に溜め込み、ゆっくりと吐き出していく。森の至るところから湧き出る水で人々は水路を作り、それを田んぼに引いてきた。小田切利助さんは田植え前に水路の草刈りをしていた。このあたりではブナの木1本で1反の田んぼをうるおすと語り継がれてきた。夏場でも湿り気があるブナの森では水を好む生き物が多く見られる。落ち葉の上に白い不思議な植物・ギンリョウソウがあった。また珍しい植物・ナベクラザゼンソウも見つけた。ブナの森には春から夏に雪解け水が溜まって池が現れる。水辺にせり出した木の上ではモリアオガエルが動いており、オスがメスの上に乗って産卵をしていた。池の周りを埋め尽くすように白い塊が見え、卵から帰ったおたまじゃくしもいた。産み付けられて1周間ほどでおたまじゃくしは池へと落ちていった。ブナの森に一時的にできた池は外敵も少なくおたまじゃくしたちは安心して育つことができる。美しい鳥の鳴き声が聞こえ、クロツグミがいた。夏になると繁殖のために南の国から渡ってくるのである。ブナの木に巣を作り、子育ての準備のようであった。水の豊かなブナの森は多くの生き物たちの暮らしを支えている。人々もまたブナの森を大切に守りながら絶やすことなくお米を作ってきたのである。10月には実りの秋を迎え、すっかり葉を落としたブナの森となっていた。長野県飯山市にはブナの森を大切に守りながら人々と生き物が共に恵みを得る美しい風景があった。

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里山 色とカタチ

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