- 出演者
- 糸井羊司
オープニング映像が流れた。
東京電力は、福島第一原発の処理水について、大量の海水を加えてトリチウムの濃度を測定した結果、想定どおり薄められていることが確認できたとして、政府の方針に基づき、午後1時ごろに放出を始めると発表した。トリチウムの濃度を測定していた東京電力は、今日午前に記者会見を行った。分析の結果、トリチウムの濃度は1リットルあたり43~63ベクレルで、国の基準である6万ベクレルを大きく下回り、自主的な放出基準1500ベクレルも下回った。また、モニタリングを実施する船を出すための気象条件も問題ないことから、このあと午後1時ごろ放出を始めると発表した。放出作業は原発内の集中監視室から遠隔で行われ、処理水を海水と混ぜた上で、立て坑に流し込む。そして、沖合1キロの放出口に繋がる海底トンネルから放出される。最初となる今回の放出は、7800トンの処理水を海水で薄めた上で、17日間の予定で連続して行う。放出期間は30年程度に及ぶ見込みで、長期にわたって安全性を確保していくことが重要な課題。
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- トリチウム東京電力福島第一原子力発電所
原発の北、浪江町にある漁港から中継。放出作業は免震重要棟から遠隔で行われ、作業員が画面を操作して放出のためのポンプを動かすことになっており、その様子がモニターに映し出される予定。会場では放出が始まる様子を確認するため、大勢の報道陣が集まり、緊張感が漂っている。
浪江町の請戸漁港から中継。処理水が放出される今日を、地元の漁業者たちは苦渋の思いで迎えた。福島の漁業は原発事故により一変、一時、漁は自粛を余儀なくされた。事故の翌年からは試験的な漁が始まり、おととしまで10年間続いた。深刻な風評被害の中、もがき苦しみながら復興を進めているさなかでの今回の放出。取材をした多くの漁業者は新たな風評を懸念していて、政府が放出を決定したあとも強く反対している。漁業者の1人は、「安心で安全な魚を獲って、売って、おいしく食べてもらえればそれだけでいい。12年前のような思いはもうしたくないし、これからを担う若い漁業者にもそのような思いをしてほしくない」と話したとのこと。
風評被害の懸念の声は首都圏の漁港でも聞かれた。千葉の銚子漁港では、仲買人が「モニタリングして放射能がどれだけあるとか、今までと変わらないという数字を出してほしい」と話した。
ここまで全国のニュースを伝えた。