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「パンタナール」とはポルトガル語で「大湿地」を意味する。雨季のパンタナールは日本の本州と同じくらいの面積が水に覆われる。雨季は11月から4月の半年間。1年に降る雨の約75%が集中する。乾季になると草原が広がる。
- キーワード
- クイアバ(ブラジル)パンタナル
乾季のパンタナールは川にも動物が大集合。カピバラは世界最大のネズミの仲間。パンタナールは絶滅危惧種のオオカワウソの貴重な繁殖地になっている。ワニはパンタナール全体で1000万匹以上が生息していると言われている。乾季になると魚が川や水たまりに取り残され密集することを動物たちは知っている。パンタナールの生態系の頂点はジャガー。ジャガーはめったに出会いないがこの水辺には頻繁に姿を現す。一般的にネコ科は水を嫌がると言われているが、ジャガーはむしろ積極的に水に入る。独特な環境の変化が生み出す多様な生態系が世界遺産に登録された理由。
乾季のパンタナールには珍しい生き物の姿が。ミナミコアリクイは1日の大半を木の上で過ごし、アリや昆虫を食べる。尻尾を木に巻き付け自在に動き回ることができる。草原にはアリ塚がたくさんある。1つにつき何十万、何百万ものシロアリが住んでいる。シロアリはオオアリクイの大好物。
パンタナール保全地域の中心エリアは1年を通じ水が残るため水鳥の楽園だ。パンタナールは山に囲まれた盆地。雨が降ると水は低い平地へと流れ込む。高低差がなく、盆地から水が流れ出る川は1本だけ。逃げ場をなくした水は氾濫を起こし、大地の約7割が浸水する。浅い湿地は小魚たちの天国。水草は隠れ家となり産卵場所も提供してくれる。水上の花園が現れるのは雨季の間だけ。水がなくなると水草は枯れ、乾季に生える青草の養分となる。
雨季のパンタナールに現れる島は島状森林。雨季に水位が上がっても木々が水没しないため、島のように見える。雨季、川の氾濫で運ばれた土砂がわずかに高い土地を作り種が流れ着く。そこから根が出て成長。さらに乾季になると鳥や動物のフンとともに種が運ばれてくる。こうして木は徐々に増えていき、長い年月をかけ島状の大きな森になっていく。
「世界遺産」の次回予告。
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